3月21日(日)に1stシングル「白黑有無」(シロクローム)を発売するハイダンシークドロシー。今回、収録した新曲「白黑有無」と「心温」に込めた想いについてのメンバーらによるミニ対談が届いた。作品を手にする際、参考にしていただけたら幸いだ。
「白黑有無」の世界感へ向けて…。
靖乃 これまでに発売した「メーズ」「ページェント」「エルドラド」はすべてデジタルシングルとしてリリース。唯一CD盤になっていたのが、1stアルバムの「ヒトリランド」でした。それもあって今回、1stシングル盤を制作。まだ盤にしていない「エルドラド」も形として残そうとの想いから、今回のシングル盤に2つの新曲と並べて収録しています。
情次2号 新曲として収録した表題曲の「白黑有無」は、谷くんに「次は、明るいファンタジーな楽曲にしたい」と提案されたことから制作を始めました。先に、谷くんに「こういう明るくてファンタジックな曲にしたいです」と参考曲をいただいたんですね。さっそく聞いたところ、「すごく谷くんの歌声に似てるなぁ」と思っていたら、別のユニットで谷くんが歌ってた曲だったという(笑)。その楽曲がストリングスなども用いた、アニソンのような雰囲気も持った明るいファンタジー系のナンバー。その世界観を激しくしてしまうとファンタジー感が薄れてしまうので、なるべくライトなポップス寄りにと考えながら、いろいろと試行錯誤をしたうえで今回の形にたどり着きました。
僕らの場合、どうしても「ライブを想定」して楽曲を作る傾向が強いんですね。「白黑有無」は、純粋に楽曲としてどう追求するかと制作を始めましたけど。ライブでも活かせる解放感も描き出したところ、上手い形で落ち着けましたね。
靖乃 「白黑有無」の面白さって、ギターの歪みの音を軽くするとポップに聞こえるけど、思いきり歪みを重くするとパンクやメタルにも聞こえるところ。それこそ、重み成分を強めると攻めた表情に変えることも出来る。それくらい「白黑有無」は繊細だけど表情豊かな楽曲だからね。
谷琢磨 そうですね。1stアルバム「ヒトリランド」の頃までは、ドロシーという女性の視点を通し、部屋の中で過去や現在を行き来しながら物語を作ってきました。でも「エルドラド」自体が、谷自身が幼い頃から想い出を重ねてきた、かつて「としまえん」という遊園地にあったカルーセルエルドラドというメリーゴーランドへの想いを投影した楽曲。つまり、いつしかドロシーは外へ飛び出し、舞台を遊園地にと移し変えていました。そこから今度は、「遊園地を舞台にした物語を書きたい」と思い、それで生まれたのが、パレードを眺めている視点で書いた「白黑有無」になります。しかも今回は、C/Wに収録した「心温」も含め2曲とも谷自身の視点で想いを記せば、ちょうど衣装も新たにしイメージを変えたように、しばらくはドロシーの視点ではなく、谷琢磨としての視点で遊園地を舞台にした物語を書くのもいいかなと思っています。
情次2号 翼を広げ、ここから飛び立とうという。昨今、なかなか翼を広げる歌詞がこの世界(ヴィジュアル系)にはなかったから、あの歌詞は新鮮でしたね。
ジン あの歌詞には痺れたなぁ。
靖乃 遊園地(「エルドラド」)に入ってすぐにパレード(「白黑有無」)へ遭遇したように、一気に明るくてファンタジックな世界へ入っていけたよう、幸先良い第二章のスタートを切れたなという感覚もあるからね。
「心温」に描いた想いとは…。
情次2号 もともと1曲は、アコースティックな楽曲を作ろうとしていたんですよ。モチーフになったのが、デビューライブを赤羽ReNY alphaでやったとき、谷くんがお立ち台に座って歌っていたんですね。その模様は、1st PREMIUM ONEMAN LIVE DVD「hide-and-seek」を通しても確認できるんだけど。その姿を思い出し、谷くんと僕がなんとなく寄り添い、自分のギターの旋律に合わせて谷くんが歌い始めたらと想定して作ったのが「心温」。これはギター1本の演奏だけでも成立する曲のように、とにかく谷くんの歌を活かしたかったんですよ。
靖乃 もともと、3月14日に行なった二部制ライブの第一部をアコースティック寄りのスタイルでやろうという話の延長として、そこで披露して似合う曲をと想定してのことだったからね。
ジン まだ羽ばたく歌詞が誕生する前に思っていたのが、疾走感を活かすべき楽曲だなということ。そこを心がけながら演奏した結果、谷くんが翼を広げ飛び立つ歌詞を載せてくれたように、そこでの安心感がまずはありましたね。「心温」は、歌とギターだけで演奏を始めていく中、そこへベースが入り、やがてドラムが加わってと少しずつ音が広がっていくんですね。最初に送られてきたデモ音源を聞いたときには、ベースが裏でズッとメロディーを弾いていたことから、「心温」ではチェロ的な役割を担う演奏を心がけました。普段はなかなかメロディーを弾かない楽器なので、そこが聞いてて面白いところだと思います。
靖乃 「心温」のドラムは、曲の途中からようやく出てくるからね。最初は「最後まで出てこない」というスタイルも考えましたが、ドラム演奏が加わったところから楽曲が一気に壮大な表情へ変わりだし、結果的にゴージャスになっていく。そこが良かったなと思ってて。とはいえ一番に心がけたのが、4人が見ている人たちの目の前で届けている感覚。「白黒有無」が少し離れた場所からパレードを観ている感覚だとするなら、「心温」は部屋の中で4人が輪になり演奏しているんだけど。その輪の中へ聞いてる人たちも一緒に加わっているような感じだからね。
谷琢磨 「心温」の歌詞は、亡くなった猫のことを思って書きました。ただし、歌詞に関しては、その人の心境に当てはめ自由に捉えてもらいたいし、その人が感じた想いが正解だと思っています。「白黑有無」と「心温」の歌詞には、対比した世界観も描きました。「白黑有無」へ”生と躍動”、そして”心の距離の遠さと物理的な近さ”を記しているなら、「心温」には”死と静”、そして”心の距離の近さと物理的な遠さ”を書いています。
靖乃 「白黑有無」と「心温」に関しては、いろんなところに対比が散りばめられているので、そこはぜひ感じ取ってほしいよね。たとえばヴィジュアル面。デビュー時は淡く白い背景を前に黒い衣装で俺らが立っていたのに対して、今回は黒い闇を背景に白い衣装姿の俺らが立っているところとか。
ジン CD盤の中にも、対比はいろいろと示されています。今回も僕がジャケットを制作したんですけど。デビューライブ時に羽根がバーッと広がる映像を用いましたが、それが「白黑有無」の世界観と重なったことから、先に「羽根をモチーフにしよう」というアイデアを出しました。そのうえで、今の白い背景の上に白い羽根が描かれたジャケットに繋がったんですけど。中を開いてCD盤を取り出すと、そこには黒い背景の上に白い羽根が描かれている。他にも、羽根の細かいところまで手を加えていれば、今回は漢字を用いたタイトルという理由もあり、書体なども過去とは一新しているように、そういうところまで、以前の作品も含め対比してもらえたら、いろいろ楽しめるはずです。
シングル「白黑有無」を総括する形で、最後に谷琢磨が以下のような言葉を寄せてくれた。
谷琢磨 今回の作品、「白黑有無」と「心温」との世界観とで対比を描き出せば、「白黑有無」も「心温」も、それぞれの曲の中でいろんな対比を作り出しています。その対比の数々をいろいろ見つけ出してもらえたら、楽曲の世界観のみならず、CD盤全体としても楽しんでいただけると思います。個人的に「白黑有無」の歌詞の表現は、今までの自分にはなかった書き方をしていることから、今、引き出しが無限に広がっています。「白黑有無」の歌詞に関しては、昔からヴィジュアル系を好きで聞いてきた方々には、どこか懐かしくもある表現がたくさん書かれているんじゃないかと思います。逆に、最近ヴィジュアル系を知った方の場合、新鮮な表現として捉えられる。「白黑有無」「心温」とも歌詞も曲調も聞いた人なりに解釈を楽しんでいける内容のように、そこを味わっていただけたら嬉しく思います。
TEXT:長澤智典
★インフォメーション★
★音源情報★
「白黑有無」
2021.3.21 release
HSD-006
通常盤 ¥1,650(tax in)
デラックスエディションパック ¥2,420(tax in)
(新アー写5枚セット付)
収録曲
1.白黑有無
2.心温
3.エルドラド
3/15〜先行予約販売開始アットワークスストアのみ
Https://at-works-project.stores.jp
1st PREMIUM ONEMAN LIVE DVD「hide-and-seek」
通常盤
\5,500 (tax in)
HSD-005
デラックスエディションパック
DVD+Special Live Photo Book (A5/32p予定/直筆サイン入り)
\8,800(tax in)
HSD-005d
2020/9/20(日)赤羽ReNY alphaにて配信された「シーク」公演をベースにカット再編集を加えた永久保存版としてDVD化!デラックスエディションパックには未公開のライブフォトも使用したスペシャルフォトブックがついてきます。
販売ページはこちらから
https://at-works-project.stores.jp/?category_id=5f23bd45d7e1d87d5401cc92
★LIVE情報★
4ヶ月連続配信2マン
「正正」
04/18(日)with The Benjamin
05/16(日)Coming soon…
06/20(日)Coming soon…
07/18(日)Coming soon…
1st Anniversary Live
「百花千紅」
09/18(土)南青山MANDALA
09/19(日)Music Lab.濱書房(ONLINE LIVE)
詳細後日発表!
ハイダンシークドロシー Web
https://hsd.tokyo/
ハイダンシークドロシー twitter
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