何時ものXANVALAらしいライブだった。その”らしさ”のパワーは、君らが想像する”らしい”のかなりマシマシであることだけは伝えておくよ。宗馬(XANVALA)生誕祭レポート!!

                                
 2月12日(金)、池袋BlackHoleを舞台にギター宗馬の生誕祭「XANVALA単独公演 宗馬生誕祭2021「嘶く麒麟」」が行なわれた。当日の模様を、ここにお伝えしたい。

 この日のライブへの期待の現れを示すように、SEが流れると同時にフロア中から大きな手拍子が沸きだした。ステージに姿を現したメンバーらは、満員の人たちの期待へ応えるよう観客たちの拳を高く突き上げさせ、「これこそが俺らの理想郷だ」と叫びながら「XANADU」をぶつけてきた。観客たちは激しいダンスロックナンバーに触発され2STEPを踏みだす。心を熱くさせるサビ歌に触れフロア中に数多くの手の花が咲き、大きく揺れていた。冒頭から此処は途切れることない熱を放出する理想郷へ変わりだしていた。上がり続ける無数の拳。その様こそあるべきライブの姿だ!!

熱が沸きだした空間へ、さらに黒い熱風を吹きつけるようにXANVALAは轟音ハードミックスコアナンバー「帝」をぶち込んだ。重い音の衝撃に触発され、髪の毛をザンバラと振り乱し身体を深く折り畳む観客たち。XANVALAのライブではお馴染みの光景。むしろ、熱狂したこの風景こそがスタンダード。それを踏まえどれだけ観客たちの理性を粉々にしてゆくかが毎回の勝負だ。

「その乱れ髪を俺たちに向けてください」。巽の声を合図に飛びだしたのが轟音ラウドコアな「ratchet」。しなる鞭のように重く鋭利な音が強烈に身体へ食い込んでゆく。痛みの中へ心地好さを覚える刺激に興奮を覚えた観客たちが、全力で飛び跳ねていた。黒く重い音がフロア中を這いずりまわる。その音に締めつけられるような感覚が、たまらなく快感だ!!

 序盤から怒濤の進撃を続けるXANVALA。今宵も互いに想いを全力でぶつけあう夜になるのは間違いない。演奏が終わったとたん、誕生日を迎える宗馬へ向けフロア中から祝福の拍手が全力で打ち鳴らされていた。
 今宵のタイトル「嘶く麒麟」の由来を、巽が「XANVALAの麒麟児ということで、自分のことをタイトルへ強く出してきた理由が一つ。空想上の生き物の麒麟の鳴き声は、あらゆる災害を吹き飛ばすと言われています。今、我々がライブをすることで災厄を吹き飛ばすという理由で付けた」と分析。それを聞いた宗馬が「インスト曲のタイトルとして、響きの良い言葉として付けた」と真相を語っていた。メンバーやまわりの人たちが深読みしてゆくのとは裏腹に、付けた本人は意外にノリだったところが宗馬らしいというか、XANVALAらしいというべきか。

「いつも以上に想いを全力で受け止めるので、全力で想いをぶつけてきてください」の言葉に続いてXANVALAがぶつけたのが、歌メロが印象深い「左耳の悪魔」。胸にダイレクトに突き刺さる耳心地好いメロディも印象的。歌メロに心が強く惹かれながらも、その歌を覆う服(サウンド)が鋼の鎧のよう。耳や心は巽の歌に惹かれながらもフロア中の人たちは時にステップを踏み、ときには頭を振り乱し、またときには大きく両手を広げ、彼らの想いや熱を全身で受け止めていた。

勢いにさらに激しさと重さを塗り重ねるように、XANVALAは最新シングル「ジャノメ」を突きつけた。巽のスクリームから幕開けた楽曲は、重さと激しさを次々と塗り重ね、音の牙を剥き出しながら観客たちに襲いかかる。ステージ上もフロアも剥きだした熱情をぶつけながら、互いに投げつける熱を全身で受けとめては貪り喰っていた。互いに攻撃的な野獣のような姿を見せ、熱狂の中で消せない傷を心に付け合ってゆく。でも引っ搔きあったその傷痕こそが互いに感情をぶつけあった自慢のシンボルだ!!

クリアトーンのギターのカッティングビートに乗せ、巽が感情的な歌声を揺れ動くままに響かせる。体感的な激しさも魅力だが、「終幕」のように心を熱く揺さぶる楽曲にも強く惹かれる。乱れ狂う気持ちのまま激情するように歌う巽。彼の心模様をソリッドでラウドな音が煽り立てる。気持ちを煽情する楽曲に触発され、いつしかフロア中の人たちが大きく手を振り上げ飛び跳ねていた。

止まることなく演奏は同期を活かしたエレクトロでラウド/ヘヴィな「ヒトリ舞台」へ。こちらは重厚かつ、身体を熱く刺激する強烈なデジタル系のダンスロックナンバーだ。フロア中の人たちも気持ち触発されるままに右手を大きく天へと突き上げ、その場で跳ね続けていた。一打一打、一音一音の強烈なリズムや演奏に身を預け、頭を空にしながら飛び跳ねていたい。恍惚に浸り続けるこのひとときが最高だ!!

「俺からの最高のラブレターです」(宗馬)の言葉に続いてぶつけたのが「誰が為の幸福論」だ。身体の芯から熱く昂らせる楽曲の登場に、メンバーたちのテンションもガッと上がれば、フロア中にも無数の髪の毛が乱れ狂う風景や飛び跳ねる様が広がっていた。とてもキャッチーな歌のように、誰もが巽の歌に合わせ心で口ずさみながら身体はもっともっとイカせてくれと言わんばかりに熱狂を貪っていた。

最後にXANVALAがぶつけたのが「独善」だ。XANVALAの武器である胸をつかむ歌と身体を熱く揺さぶる重厚な音を重ね合わせた楽曲が「お前らの限界はこんなもんじゃねぇだろ!!」と煽り立てる。メンバーたちが気持ちも、身体も前のめりに観客たちを煽り続ければ、フロアでは誰もがその場で大きく飛び跳ね、この空間を揺らしていた。拳や手の花を大きくなびかせ、この場に熱狂という宴を作りあげていった。理性で塗り固めた自分を壊し、本能で生きる自分に作り替えてゆく。だからXANVALAのライブに足を運びたくなる!!

 ここで宗馬が一人ステージに。彼が自分の誕生日を祝おうと訪れた人たちへのお返しのプレゼントとして、インストナンバーの「嘶く麒麟」を演奏。彼の冴えたギターの手腕を存分に味わえた楽曲だ。いわゆるテクニック一辺倒に走るのではなく、耳に心地好く響くメロディを軸に据えているところがメロディメイカーである宗馬らしさ。その様を堪能出来たプレイだった。この楽曲はこの日のライブに足を運んでくれた人たちへの来場プレゼントCDとしても配られていた。これはとてもレアな音源になることは間違いない。

アンコールは、XANVALAが新たな時代を切り開くと告げるように「文明開花」からふたたび始まった。和要素を抱いたとても華やかで激しい楽曲だ。派手というよりもケバケバしい音を撒き散らしながら楽曲は疾走してゆく。その演奏や煽る歌声に触発され騒がずにいれない。フロアでは大勢の女性たちが恍惚に乱れ狂う美しき花魁と化し、本能のままに髪振り乱し騒いでいた。とても派手なのに破壊力満載な楽曲だ。気持ちが止まることなく昂り続ける。このまま絶叫まで導いてくれ!!

その気持ちへ応えるよう、「俺からの最大の愛を届けていいですか!!」と煽る宗馬の声を合図に、XANVALAは破壊力満載な重低音ナンバー「CREEPER」を叩きつけた。「CREEPER」が一瞬にして理性という感覚を吹き飛ばした。フロア中は乱れる黒い髪の波に覆い尽くされている。サビ歌では誰もが拳と頭を振り乱し、騒ぎ祭っていた。騒がずにいれない、興奮したこの気持ちを抑えるなんて不可能だ。誰もが制御機能が壊れ暴走したマシンと化し、XANVALAと一緒に恍惚を感じあっていた。

何時ものXANVALAらしいライブだった。その”らしさ”のパワーは、君らが想像する”らしい”のだいぶマシマシであることだけは伝えておくけどな。最後にエンドSEで流れた「睡蓮花」(湘南乃風)に合わせメンバーらが合唱しながら宗馬のバースデーパーティを行なっていたことも伝えておこう。

ジャノメ / XANVALA
https://www.youtube.com/watch?v=enPEATka8UE
XANADU / XANVALA
https://www.youtube.com/watch?v=N9Jk8dP7Q6I

★インフォメーション★

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2021/02/18 (Thu)
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OPEN 15:30 / START 16:00 ※緊急事態宣言の延長に伴い変更となりました。
前売 ¥4,000 / 当日 ¥4,500 ※D代別 配信チケット ¥3,000
XANVALA / Scarlet Valse / 未完成アリス / ラヴェーゼ / UNDER FALL JUSTICE
O.A セッションあり
【チケット】
■A:eプラス
https://eplus.jp/sf/detail/3366470001-P0030001
※転売防止のため整理番号のスタートはランダムになっています。
■B:当日券
※バンド予約無し
入場順:整理番号順
■配信チケットURL
https://eplus.jp/sf/detail/3369100001-P0030001

その他、ライブスケジュール
https://xanvala.com/live

XANVALA twitter
https://twitter.com/XANVALA
XANVALA Web
https://xanvala.com/

セットリスト
「XANADU」
「帝」
「ratchet」
「左耳の悪魔」
「ジャノメ」
「終幕」
「ヒトリ舞台」
「誰が為の幸福論」
「独善」
「嘶く麒麟」〈宗馬ソロ〉
-ENCORE-                                         
「文明開花」
「CREEPER」

Photo by
A.Kawasaki
https://twitter.com/a_kwsk_1985?s=21
TEXT:長澤智典

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