2021年1月1日、元旦の午前10時にそのプロジェクトは発表された。
「みんなアイドルプロジェクト」
誰でも参加できるアイドルという前例のないプロジェクトは如何にして立ち上がったのか?
気になる参加者は?
プロジェクトの発起人KEN asano FUJIKAWA氏にリモート取材に応じていただいた。
−−まずはプロジェクト立ち上げの経緯をお聞かせください。
KEN asano FUJIKAWA(以下、KEN):コロナ禍で楽曲提供のご依頼がだいぶ減りまして。依頼がないから作らないでいるというのも音楽クリエイターとして違うなと感じていたので、何か作ろうと。せっかくならば少しでもいろんな人に楽しんでもらえるような曲を作りたいと思ったのがきっかけです。それを近しい人に話しながら、こうしたら良いんじゃないか、ああしたら良いんじゃないかと組み立てていった感じですね。ある程度考えがまとまったのが12月上旬のことでした。
−−12月上旬に考えがまとまって、1月1日には企画だけでなく仮歌音源やダンスのお手本動画も発表されています。すごいスピードですね。
KEN:思い立ったが吉日です(笑)。もちろん自分一人だったらそのスピードではできませんよ。最初はあくまでも一音楽クリエイターとして立ち上げたのですが、それを自分の会社(代表を務める株式会社ユニオンミュージックジャパン)に持ち込んだらグループ会社を含め社員の有志が協力してくれたり、週4コマほど教壇に立たせていただいている専門学校(東京ビジュアルアーツ)に持ち込んだら先生方や学生たちが協力してくれたり、あとは作詞を担当した若林愛や振り付けを担当した山本夢もスピーディーに対応してくれました。そういった周囲の人たちが「面白そう!」と前のめりで取り組んでくれたお陰ですね。
−−それは企画自体が面白かったからでしょうね!
KEN:実際に発表してから同業他社からも問い合わせがあったり、いくつかのWeb媒体も記事として取り上げてくださったり、自分が面白いと思ってアウトプットしたものを、同じように面白いと思ってくれたと感じて嬉しかったですね。
−−私が知る限りでは「誰でも参加できるアイドル」という前例は無いように思います。
KEN:どうなんでしょうね?あったかもしれないし、なかったかもしれない(笑)。昨年の一度目の緊急事態宣言の時に、SNS上でいろんなコラボがあったじゃないですか?有名なところでは星野源さんの「うちで踊ろう」とか。僕自身もSNSで池田彩(プリキュアシリーズ主題歌歌手)とセッションしたり、その動画を編集して東京都の「アートにエールを!」に参加してみたりもしまして、その辺の企画は間違いなくヒントになっています。どちらもネット上で気軽に楽しめる企画ですが、特に「アートにエールを!」の方は芸術支援といった形で参加者にお金が支払われるというプラスαの要素がありました。自分がこういう企画をやるならば何をプラスαの要素にするだろうかと考えた時、それは「夢」だと思いましてね。なので、アイドルというカテゴリ内でそういう前例があったかどうかは気にしていませんでしたね。それよりも参加者の「夢」を乗せられるような企画にしたいという思いが先行でしたから。
−−たしかに「みんなアイドルプロジェクト」は夢のあるプロジェクトですね。
KEN:新人発掘などにも携わっているといろんな声が聞こえてくるもので、例えばアーティストやタレントを目指して芸能スクールや専門学校に通っていたけどコロナ禍で夢を諦めて退学したとか、デビューを目指して精力的に活動していたバンドやアイドルグループでもメンバーの脱退や解散があったとか。コロナ禍で活動に制限が生じて思うようにライブができなくなったり、音楽をやるよりも堅実な仕事に就いた方が良いと考えたり、それぞれ大なり小なり悩んだ上での結論だと思いますが、それはちょっと寂しいなと思いまして。だったらネット上で誰でも参加できるという気軽さと、その先に夢の一歩に繋がるような発展性を持たせられたら良いなという思いです。
−−その「夢の一歩」が音源のリリースも視野に入れているというところですね?
KEN:それもそうですね。他にも通常のアーティストの作品をリリースする時と同じようにプロモーションもするとか、僕らみたいな仕事の人間だからできることってあると思うんですよね。このプロジェクトへの参加をきっかけに、もう一度夢に向かってもらえたら嬉しいですね。一方で音楽はアーティストが作ったものをリスナーが聴くというだけのワンウェイではなくなりつつあると常々感じていました。夢を見失った若者がいただけでなく、非ワンウェイ化もコロナ禍で加速したと思います。音楽に限らずエンターテイメント全体に言えることだと思いますが、これからはより参加型が中心になるんじゃないですかね?なので、純粋に楽しみたいという方の参加も大歓迎のプロジェクトです。
−−実際にこれまで参加申込があった方にはどのような方がいらっしゃいますか?
KEN:詳しくは2月1日開設の公式ホームページでご確認いただけますが、現役でアイドル活動をされている方や元々アイドル活動をされていた方、メジャーデビュー経験者もいます。あとは社会人としてお仕事をされている方、学生さん、シンガー、キッズダンサー、ゆるキャラも参加してくれました。「みんなアイドルプロジェクト」の名に相応しく幅広い層の方が反応してくれたと手応えを感じています。
−−年齢層は?
KEN:今のところ小学生から五十代の方々です。年齢制限もありませんので未就学児やご年配の方も歓迎です!
−−ゆるキャラの参加が気になります。詳しく教えていただけますか?
KEN:ちょうせい豆乳くんという日本豆乳協会の公式キャラが応募してきてくれました。
−−男性でも参加できるのですか?
KEN:ちょうせい豆乳くんは男性ではなさそうですよ。公式プロフィールを拝見したところ性別の欄に「おまめ」とありましたから(笑)。一応、アイドルということで募集要項では女性に限定させてもらいましたが、スタッフの一人から「今はいろんな形の女性があるので、広義的に女性という解釈で良いのでは?」という意見があってもっともだなと思いましてね。「みんなアイドル」と謳っているのであまりカッチリと決まりは作らずに、今後もフレキシブルに対応していきたいと思っています。
−−現役でアイドル活動をされている方は掛け持ちされるということですか?
KEN:そうですね。こちらとしては他の活動をしてはいけないという制限は設けていませんし、むしろ参加者自身の活動が活性化するきっかけにしてもらえたら嬉しいですね。参加者には「みんなアイドルプロジェクト」用の楽曲をご自身の活動でも自由にパフォーマンスしてもらえるようカラオケ音源の原盤権(著作隣接権)を解放するなど、微力ですがそういう特典を設けています。今後もそういったサービスを追加できるように考えたいと思います。
−−今後、追加メンバー募集の予定もありますか?
KEN:一旦1月31日で締め切りましたが「もっと早く知っていたら参加したかった」という声がいくつか寄せられました。Twitterのアカウントを設けて告知していた程度ですから、まだまだ知らない方の方が遥かに多いと思います。そこで、今後の制作が間に合うギリギリの2月14日まで申込期限を延長することにしました。その後も随時募集をすることになると思います。
−−定員の307名が集まるまで繰り返し募集があるということですね?
KEN:あの定員も何となく設けただけなんですよね。「一応定員を決めておこうか?」「語呂合わせで307(みんな)名なんてどうですか?」「それ面白いね!」みたいなやり取りがスタッフ間であって、ほぼノリで決まった定員です(笑)。なので、その辺もフレキシブルに都合よく変えていきます(笑)。
−−最後に今後のご予定を教えてください。
KEN:まずは参加者から寄せられた「あの空にYELL」の歌と動画を編集してMVを作って3月に無料公開を予定しています。その再生数を見て次のフェーズではデジタルシングルのリリースを考えています。その付帯企画やその先も色々と計画を練っていますので、参加者にもその周囲の方々にも楽しみながら夢を持っていただけるプロジェクトになると思いますよ!
「みんなアイドルプロジェクト」への参加には、先ずはLINE公式を友だち追加する必要がある。
興味を持たれた方はLINE公式から届く詳細に従って申し込んでほしい。
【みんなアイドルプロジェクト】
LINE公式
https://lin.ee/ys6QbGh
公式ホームページ
http://union-mj.jp/minnaidol/
【KEN asano FUJIKAWA】
本名、藤川 健(ふじかわ けん)。旧筆名、浅野ケン。
作曲家、編曲家、音楽プロデューサー。
1975年2月3日生まれ。神奈川県小田原市出身。
幼少の頃よりクラシックギターを始め、高校時代にはソリストとして国内コンクールにて度々入賞。以後、ロックに転向し精力的なバンド活動を行う。1997年よりレコード会社や音楽事務所を転々としながら制作の経験を積む。2000年、音楽ユニットのメンバーとしてインディーズデビュー。2003年メジャーデビュー。ユニット活動休止後、他アーティストへの楽曲提供やプロデュースに注力し、自身の楽曲と共に数々のアーティストやアイドルを世に送り出す。20周年を迎えた2020年8月には、自身2枚目のワークスアルバム『20/45』をリリース。現在までの公表実績は100曲を超える。