4月27日に、悠というアーティストが配信シングル「カルマ」をリリース。同時に、イラストレーターsakiyama氏の手がけたMVが公開になった。
人によっては、”悠”よりも”ゆとり”という名前のほうが耳に馴染んでいる方も多いだろうか。これまで中川翔子やVTuberのミライアカリへ楽曲提供を行なえば、自身でもマルチクリエイター/ヴォーカリストとしてウェブ上をベースに活動を続けてきた。同時に、本名の悠としても様々なアーティストのサポート・ドラマーとしてミュージシャン活動を行なっていた。
本人曰く「アーティスト活動と作家活動、それぞれがひと段落したので、かねてから自分の音楽活動の起点であり節目になっている4月27日を前に、今後の動きを集約するために統一しました」という言葉を寄せてくれた。4月27日は悠の生まれた日。大切な記念日に、改めて生まれ変わりを宣言したというわけだ。
エッジ鋭くも乾いたギターの音色が心を切り刻むようにカッティングしてゆく。人の心をこじ開けるように鳴り響くギターへ導かれるように届いたのが、「屋上から黙ってテイクオフ 天国に着地なら成功」という衝撃的な一節。そこから「カルマ」は、主人公の深層心理をえぐり取るように物語を描き出す。
「カルマ」とは”人の業”のこと。主人公(悠自身?)は、時に人を拒絶し、時には人に理解を求めてと、裏腹な心模様を、コインの表と裏を何度も裏返すように歌いかけてゆく。同曲について、悠はこんな言葉も寄せてくれた。
「音楽人生には、良くも悪くも「業が深い」部分があります。音楽は夢を届ける仕事であり、また自分自身も夢を強く描かなければいけないお仕事ですが、最終的に夢を終わらせるかどうか、その決断を下すのも必ず自分自身だと思っています。その判断はとても辛いものでありますから、自害を迫られるようなものだなと感じる時があります。その一方で、表面では華やかに夢を演じ続けているわけです。そこから「カルマ」には、「ゲームに興じているが敗者は自害する」という情景を連想し描きました。
サウンド面に於いても、自分の好きなディミニッシュを多用するギターロックを作りたいというのが先にあり、そこからネバーランド症候群的な歌詞にしたいという着想が生まれ、サーカスのような、古びたテーマパークのような雰囲気が欲しいという連想へと繋がりました。ハープシコードやアコーディオンが登場するのはそのためですね。楽曲の着想時点から、歌詞・編曲・歌唱・ドラムプレイに至るまで自分で世界観を構築出来るのも、悠としての一つの個性かなと思っています」
先にも触れたように、「カルマ」のMVを手がけたのが、イラストレーターのsakiyama氏。じつは、ゆとりとして配信リリースした前シングル「雨恋」でも、悠はMVでイラストレーターのsakiyama氏とコラボレートしている。「雨恋」「カルマ」共に、登場する主人公がsakiyama氏の描く絵ではお馴染みのキャラクターのように、そこもsakiyamaファンには嬉しいこと。
sakiyama氏は、「カルマ」のMVについて、「曲を聞いてまず、レトロでダークな色味と世界観がパッと浮かびました。色味と主人公とキリンは第一印象のものです。あとは、悠さんからざっくりと世界観などを伺ったので、そこから肉付けしました。作品は自由に解釈して楽しんでいただきたいですが、主人公狂ってるなー感が伝われば良いなと思います。制作は純粋に嬉しかったです。ただ、ものすごく自由に作らせていただいたので、自由に作りすぎたかなと、少し申し訳ない気持ちにもなりました(笑)。
sakiyama:曲が何より素敵なので、曲の世界観を少しでも彩ることができていたら幸いです。ぜひご自由に楽しんでください」とも、コメントを寄せてくれた。 その言葉も参考にMVをご覧になっていただきたい。
今回のリリースをきっかけに、今後は、悠としてすべての活動を統一。これから、どんな風に悠の描き出す世界観が広がってゆくのか、楽しみにしていようか。
TEXT:長澤智典
「カルマ」MV
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