The Benjaminの40代メンバーMineyはアルバム「Because」を通して歌いかけた、「なりたくなかった人にも 今はなれない」と…。

2020年5月で結成5周年を迎えるThe Benjaminが、2月12日に3年ぶりとなる2ndフルアルバム「Because」を発売する。本作を作るにあたり、メンバーは「少年少女が大人になるために必要な”ハピネスの根拠”を、ここには詰め込んだ」と伝えてきた。

彼らは、「ボヘミアンユースブルース」を通し「無限と言われた可能性には 実は期限があって」と歌いかけてきた。「バオバブの樹の下で」には、「なりたくなかった人にも 今はなれない」と現実を直視する言葉を提示。そして「Because-Love is here-」を介し、「ずっと側にいるよ 何時も側にいるよ それが答えとやがて知るんだ」と、幸せを求め続けてゆく中で得た、一つの答えを示してきた。
まだ、未来を無防備なほど純粋に捉え、我武者羅に信じた想いへ全力でぶつかっていた10代や20代。ときには挫折も含め、様々な悩みや葛藤を繰り返し、その中で見えてきた夢と現実の境目を知る30代や40代。その後にきっと感じるであろう、人生を達観視した老齢期の自分…。
もちろん、アルバムには「望遠鏡」や「Boycott」「ビスケット」のような甘酸っぱい青春心をくすぐる楽曲も随所に散りばめられている。でも同時に、先に触れた曲たちや「ブラウス」に綴った「もう一度ゆっくりと一つずつボタンを掛け直すんだ」という気持ちのように、その経験や年月を重ねたからこそ心に染みる人生の教則となる現実味を帯びた歌たちも、幾つも顔を覗かせている。

「Because」というアルバムには、ここまで歩んだ人生の中、様々な機微(喜びや悲しみなどの経験)を重ねた人ほど、自分の生き方と照らし合わせ心頷く楽曲が数多く詰め込まれている。30代のMashoeとTacky、40代のMiney、世代の異なるメンバーが作り出す、その世代の感覚らしい解釈を持った曲たち。同じ、人生の幸せの見つけ方でも、30代と40代ではこんなにも解釈が違うんだという面白さもきっと感じるはずだ。
偉大な音楽の創造者たちの集まりだったビートルズを敬愛するThe Benjaminのメンバーたち。ビートルズの影響を、愛を持ってオマージュ。そのスパイスを巧みに取り込み創りあげた曲たちは、どれも胸を揺さぶる良質な歌ばかり。まさに、幸せを求める人たちの人生に寄り添う親友であり、気心知れたアドバイザーのようなアルバムが「Because」だ。

ここからは、その内容を窺い知れるメンバーたちの言葉を拾いながら、アルバムの魅力をかい摘んで紹介したい。今回は、40代を迎えたMineyの視点で描いた曲たちを紹介したい。まずは、若さ故の純粋な衝動を描いた「ボヘミアンユースブルース」について。

Miney 「ボヘミアンユースブルース」を通し、若さ故の衝動というべき愛を歌いたかった。世の中へ矛盾を感じ憤ったり、無防備に心嫉妬したり、計算ではなく気持ち動くままに愛へ染まったり。正直、いろんな恋愛を経験してきた大人からしたら、そういう姿や考え方って「ちょっと甘いよな」ともなるんだけど。でも、そういう時期を重ねてゆくのが人としての心の成長じゃない。だからこそ最初に、無防備で純粋な想いを「ボヘミアンユースブルース」を通して語りたかったんですよね。
――「ボヘミアンユースブルース」の歌詞の一節に、「無限と言われた可能性には 実は期限があって」という言葉を記しています。それは、年齢を重ねるほどリアルに実感を覚える言葉だと感じています。
Miney その言葉の意味、確かに大人になってみないことには辿り着かないですからね。「俺たち、まだ若いから余裕だよね。時間なんてまだまだあるよね」と思っていたのって一体何歳頃までなんでしょうね。っていうか、自分たちが若者ぶっていたのって、幾つくらいまでだったんだろうとも考えたんだけど…。なんなら、今でも「若者の部類に入ってる」と思いながら活動をしている自分たちがいるんだけど(笑)。
Mashoe より達観した視点でというか、物事を広い視野で見れるようになったときが、大人になったときなんでしょうかね?
Tacky だからと言って悲観しているわけではないように、共感しながらも楽しんで聴ける歌なので。
Mashoe 共感も出来るし、僕たちとは異なる感覚で受け止める若い世代の人たちには、今後の人生に於いて良いヒントになる楽曲が「ボヘミアンユースブルース」だと思います。
      
「もう一度ゆっくりと一つずつ ボタンを掛け直すんだ ゆっくりでいい」と歌う「ブラウス」も、いろんな経験を積み重ねながらも、まだまだ人生のやり直しは効くんだからという気持ちへ導いてゆく人生歌だ。

Miney The Benjaminのファンも今やOLの方々が中心のように、そういう人たちの背中を押してあげたくて女性目線で歌詞を書きました。誰しもが人生をやり直すというか、整え直すタイミングを探す時期ってあるじゃないですか。自分だって、日々生きていく中で「人生をやり直そうか」と考えた経験は実際にある。だからと言ってそれを悲観的に嘆くのではなく、「ブラウスのボタンを掛け直すのと同じように、自分の人生だって、一度外して掛け直すことは自分次第でまだまだ出来るんだから」と希望を持って背中を押してあげたかったし、僕自身が、生きてくうえで何回だってボタンを掛け直すことは出来ると思っている。そういう、今を悩んでいる人の背中を「ブラウス」を通して押してゆく歌になりました。

「バオバブの樹の下で」の歌詞に記した「なりたくなかったヒトにも 今はなれない」の一節も、人生の選択肢が狭まる年代になるほど、言葉の意味がリアリティを持って胸にズシンと響いてゆく。

Miney 「人間とは、自分が事故の被害者や身体へ障害を持って初めて弱者の気持ちがわかる」というのを、とある本を通して読んだんですけど。誰だって、まさか自分がそうなるとは思わずに生きているじゃないですか。「24時間テレビ」に出てくる人たちも然り、「警察24時」に出てくる生活費が困窮し万引きしてしまう年配の方々やオレオレ詐欺にひっかかる高齢者の人たちなど、今は遠い世界に感じても、何時かは自分にも訪れる現実かも知れない。最近で言えばウィルスへの感染だって、「自分はかかるわけがない」と思っているけど、実際にはどうなるのかわからない。だからと言って悲観して生きるのは違うこと。「バオバブの樹の下で」では、「世の中にはそういう現実があるように、そういう事柄から目を逸らさずに生きよう」「気付かない振りはやめて、そろそろしっかり目を向けて生きていこうよ、そこで何かが見つかるかも知れないし」と、まだ結論はわからないけど、でもしっかり向きあおうということを歌にしています。
Tacky 僕らも、なりたくてもなれない年齢になってきていますからね。もう、公務員の試験は年齢的にも受けられないだろうし。
Mashoe 警察官や消防士にも、確実に年齢の面でなれませんしね。
Miney 世の中には、見えない年齢制限だっていろいろあること。自分の場合、サラリーマンにはなりたくないからとバンドを始めたわけだけど。今や、そのサラリーマンにさえなれないですから。

アルバムの最後に収録した「Because-Love is here-」ヘ記した歌詞は、Mineyなりに歩んできた人生を振り返りつつも、敬愛する亡き父親へ向けて書いた想い。その気持ちが、Mineyなりに出した「Because」(なぜならば、人生は)という一つの答えだった。

Miney これまで、自分のリアルな生活の中で起きた出来事ってあまり歌詞にはしてこなかったし、そうやって語ることもないなと思っていたんですけど。親父が亡くなって2年の歳月が経過。あの当時は、親父のことを歌にしようとはまったく思わなかったけど。2年も経ってみると、良い意味で自分の中で美化されたのか、今なら親父の生きてきた人生と自分が今歩んでいる人生を重ねて書くことが出来るなと思い、この歌を書き始めました。
うちの親父は物静かで、あまり物事を語らぬ人でした。だけど40代を迎え、小さい頃に見ていた背中の意味がわかってきたというか、「親父は何を考えて俺たちを育ててくれたんだろう、何を俺たちに教えようとしていたのだろうか」がわかるようになってきた。それを言葉にしたのが「Because-Love is here-」なんです。歌詞では、時に子供の視点になれば、自分が子供を授かり親父になったときの心境を想像して書いた言葉なども出てくるんだけど。それらを総称して「それが愛の答えなのかも知れないね」と、自分なりに結論づけるように書きました。

次回は、30代のMashoeやTackyの視点で捉えた曲たちを通し、アルバム「Because」の魅力を探りたい。
TheBenjamin16A_1M
TEXT:長澤智典

★オフィシャルサイト・SNS★

The Benjamin Web
http://thebenjamin.jp/
BadeggBox twitter
https://twitter.com/badeggbox
バデッグボックス公式LINE
http://thebenjamin.jp/news.php?id=154                          
『BadeggBox Club』
http://thebenjamin.jp/news.php?id=257

トレーラー動画

★音源情報★

キュートで革新的なロックバンド The Benjaminの3年ぶりのフルアルバム完成。
全員ヴォーカルというスタイル顕在で前作以上にオルタナティブ、R&Rなどの要素をオシャレに取り入れている。
少年少女達がオトナになるために必要な“ハピネスの根拠”が込められた作品。

タイトル:「Because」
アーティスト:The Benjamin
BDBX0062_jacket
発売日:2020年2月12日
品番: BDBX-0062
価格: \3,000 (税別)

CD収録曲:
1.ボヘミアンユースブルース 作詞/作曲:Miney
2.バリカン 作詞/作曲:Mashoe
3.ブラウス 作詞/作曲:Miney
4.望遠鏡 作詞/作曲:Mashoe
5.Boycott 作詞/作曲:Mashoe
6.BumbleBee 作詞/作曲:Miney
7.BlackBoard 作詞/作曲:Mashoe
8.バオバブの樹の下で 作詞/作曲:Miney
9.ビビデバビデブー 作詞/作曲:Miney
10.ビックリ箱 作詞/作曲:Tacky
11.ビスケット 作詞/作曲:Mashoe
12.Because -Love is here- 作詞/作曲:Miney

★LIVE情報★

020.02.08 (Sat) 中野Space Q
2020.02.09 (Sun) 恵比寿club aim★2部制ONEMAN
2020.02.10 (Mon) 初台DOORS★mashoeのみ出演
2020.02.22 (Sat) Music Lab.濱書房
2020.02.29 (Sat) 渋谷DESEO
2020.03.05 (Thu) 福岡INSA
2020.03.05 (Thu) 福岡ミュージックプラザインドウ
2020.03.07 (Sat) 大阪FANJ
2020.03.07 (Sat) little HEARTS.大阪店
2020.03.08 (Sun) HOLIDAY NEXT NAGOYA
2020.03.08 (Sun) 名古屋fiveStars
2020.03.14 (Sat) 宇都宮HELLO DOLLY
2020.03.15 (Sun) 仙台spaceZERO
2020.03.15 (Sun) little HEARTS.仙台店
2020.03.20 (Fri) 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
2020.03.20 (Fri) 新潟6studio
2020.03.21 (Sat) 長野LIVEHOUSE J
2020.03.28 (Sat) Music Lab.濱書房★Mineyのみ出演
2020.03.31 (Tue) 渋谷DESEO
2020.04.12 (Sun) 宇都宮HELLO DOLLY★ONEMAN★
2020.04.18 (Sat) 名古屋UNLIMITS★ONEMAN★
2020.04.19 (Sun) 大阪JUZA★ONEMAN★
2020.04.26 (Sun) 長野LIVE HOUSE J★ONEMAN★
2020.05.02 (Sat) 渋谷TSUTAYA O-WEST★ONEMAN★
2020.05.03 (Sun) 新宿自主盤倶楽部
2020.05.10 (Sun) KANSAI ROCK SUMMIT’20
2020.05.16 (Sat) 恵比寿club aim★Mashoeのみ出演

Share this...
Share on twitter
Twitter
Share on facebook
Facebook

About FDSM編集部 2313 Articles
FDSM編集部は、皆様のミュージックライフを豊かなものにすべく、良質な音楽情報を配信してまいります。