ライブバンドらしい胸をスカッとさせる疾走感満載のサウンドも、もちろん魅力だ。それ以上に、触れた人のハートを一瞬にして捉えるキャッチーな歌に心が奪われた。コントラリエ、一緒にライブで大騒ぎしながらも、共に口づさみたくなる「歌を魅力」したバンドだ。
2016年4月に始動。これまでに『イロドリィパァ』『雪椿-ユキツバキ-』2枚のシングル盤と1stアルバム『シンセカイ』をリリース。ワンマン公演も、これまでに3回実施。着実に、確実に支持を固めている。
コントラリエは、さらなる飛躍を遂げようと、7月11日(水)に3rdシングル『感傷モウメント』をリリースする。その作品の魅力について、メンバーが熱く語ってくれた。
「歌を大事にする」姿勢は、結成した頃から変わってないこと。
――コントラリエがBadeggBoxへ所属して、間もなく…。
ぼん: 8月で1年経ちます。所属して以降からリリースのペースも早くなれば、ライブ活動の場も広がったし。何より、バンドへ向かう意識がこれまで以上にビシッと前向きになりました。
――音楽性は結成した頃から変わってない形?
ぼん: 大事にするものを、より前に出してる形です。それが「歌を大事にする」ことだったり、「優しさや柔らかい表情」を大切にしたりという部分。基本的な音楽性は、結成した頃から変わってないです。
――ライブ感を活かした曲調ながら、どの楽曲も歌がしっかり胸に響いてきますからね。
ぼん: そこの姿勢は、バンドとして崩したくないところです。
しょう: 最初はもっと速い曲もやっていたけどね。
ぼん: 今のシーンの風潮に合わせ、激しい曲をやったこともあったんですけど、コントラリエには似合ってない気持ちが心の何処かにあって。それよりも、歌を届けてる楽曲のほうが、リスナーの方々の反応も良いんですよ。「ならば、歌がしっかり届く曲で勝負しよう」となり、そこから歌を軸に据えた曲たちが増えだしました。
わたる: うちみたいなバンドはまわりにいませんからね。だからこそ、それを特色にしようと活動をしています。
感傷モウメント』のテーマに据えたのが「生きるために必要なこと」。
――7月11日に、最新シングル『感傷モウメント』がリリースになります。この作品を制作するにあたっての狙いから教えてください。
ぼん: 3rdシングルへ収録した3曲とも、作詞のテーマに据えたのが「生きるために必要なこと」。タイトル曲の『感傷モウメント』は最初にそれを題材に作った楽曲でした。
――なぜ、「生きる」というテーマ性を掲げたのでしょうか?
ぼん: コントラリエを通して楽曲を届けることが、今の僕の生きる意味になっていること。だったら、その想いをお客さんと共有したいなと思ったのがきっかけでした。それこそ、お客さんが楽曲を聴いたときに、「あっ、これは自分のことを言ってくれてる」と思ってもらえる。そんな、言葉の入ってきやすい曲として作ったのが『感傷モウメント』なんです。そこからテーマを広げ、『存在の証明』や『叫び』が誕生しています。とくに『叫び』へは、僕の心の叫び声が強く投影されています。
「生きる」というテーマは、本当に深いこと。歌詞もそうですけど、「感情を揺さぶりエモーショナルな気持ちになるサウンドを描こう」とメンバーに伝えれば、そこを各自自由に汲み取ってもらい3曲とも作りあげました。
二葉: 「生きる」というテーマだけを聴くと、けっこう気持ちが重くなりがちだと思うんですけど。夏のリリースという時期的な面もあって、曲調の面では爽やかにしたいなという気持ちがありました。ただし、爽やか過ぎても違うなということから、「エモーショナル」さを活かしたアレンジを『感傷モウメント』では心がけています。
歌詞に関しても、このシーンの場合「生きる」という意味をヘヴィに捉えられがちだけど、そこはあまり重過ぎない感じに書かれてると言いますか、ぼんさんの表現する言葉が柔らかいので、優しく心へ響いてくなとも感じています。
しょう: 『感傷モウメント』は、一度自分たちの固定概念をゼロにして、また基礎から作り上げた楽曲です。それこそ、ドラムの叩き方も以前とは根本から変えて作りあげたように、また新しいコントラリエの表情が生まれました。「生きる」というテーマに関しては、俺はぼんに一任しています(笑)。
わたる: 僕も、歌詞に書いたテーマの意味はぼんに任せていたので、いかにドラムとベースでの一体感を作りあげるかに集中しながら『感傷モウメント』を演奏していました。
しょう: リズム隊の2人は、「生きる」というテーマをどうやって演奏を通して届けるかについて、よく話しあってました。
わたる: 曲調もだんだん盛り上がっていくように、ベースもエモく弾いたからね。
ぼん: 『感傷モウメント』に描きだした「エモーショナル」という表現を、僕らは「あふれ出る感情や想いを届けられた瞬間」と捉え、楽曲の中へ表現しています。
これは、裏テーマでもあることですけど。結成してちょっとした頃からベースのわたる君が「俺も歌いたい」と言ってたので、『感傷モウメント』にはわたる君の歌うパートも入れたんですよ。結果、一人で歌い始めながらも、Bメロやサビへ近づくにつれわたる君の歌声も重なることで、仲間が集まっていく様を曲を通して表現したように、じつはそこへも「生きる」という想いを投影していきました。
――『感傷モウメント』の歌詞は、いきなり「生きるのってムズイ」と始まります。バンド活動をしていく中、生きることに大変さを感じることも多いのでしょうか?
ぼん: 僕はやりたいことや楽しいなと思えることが少ない人。やりたい仕事もとくになければ、ただただ歌ってたい人。でも現実問題、歌うためにはいろんなことが必要じゃないですか、仲間も、お金も、お客さんも、支えてくれるスタッフの方々も必要なこと。そういうことを考え出すと、「生きるっていろいろと難しいなぁ」と思ってしまうんですよね。
――ぼんさんの歌詞は、無理矢理背中を押すわけではない。そこがいいんですよね。
ぼん: 自分の性格的に「俺について来いよ」や「背中を押すぜ」ではなく、お客さんを含め、みんなと一緒に同じペースで歩いていきたい気持ちが僕の中にはあるので。それこそ急がなくていいから、ずっと歌うために必要なことを一緒にやっていこう。そういう堅実なタイプです。
――バンドの姿勢も、そうだ。
ぼん: 全部ぶっ壊してやるぜというメンバーはいないです。出来るだけ自分たちのペースを守りながらも、いろんな面で寄り添うべきところは寄り添っていけたら。その気持ちや姿勢も、『感傷モウメント』には入っています。
この苛立ちを感じてるのは君だけじゃないから、一緒に盛り上がっちゃおうよ。
――2曲目に収録した『存在の証明』は、攻めた表情を持った楽曲として仕上がりました。
ぼん: ライブで盛り上がる曲にしようというのが第一にあったこと。そのうえで、『感傷モウメント』で優しさや歩み寄る気持ちを書いたから、それ以外に生きるために必要なことをと考えたときに出てきたのが、自分の中の鬱憤を晴らしたり、対抗心を持つ相手を作ること。歌詞にも、競う相手を思い浮かべながら想いを書いてます。
――『存在の証明』の作曲は、コントラリエになっています。
ぼん: 二葉が持ってきたデモ音源を初めて聴いたときにフラストレーションをぶつけてゆく感覚を覚えたので、それをみんなでセッションアレンジしながら楽曲へぶつければ、歌詞にも、先に伝えた想いを書き殴りました。
二葉: 「エモい」というテーマがあったことから、最初はもっとゴリゴリに作り、あえてチューニングも低くしてたんですけど、結果、今のコントラリエや、今回の作品のカラーに合うアレンジにメンバーみんなで変えました。
ぼん: さすがに1曲だけチューニングを変えてしまうと色が違い過ぎるなと思い、今回は3曲の中のカラーやバランスに合わせ、そうした形を取りました。
わたる: いきなり低い音で刻みがきたら、あまりにも1曲だけヘヴィになるからね(笑)。
――完成した『存在の証明』について、どんな手応えを覚えています?
二葉: 勢いをしっかり活かしたうえで、今までにないノリというか、新しい感じを出せた手応えがありました。曲中で雰囲気を変えてるんですけど、そういうところも上手くバンドとして表現出来たように、いい味を持った楽曲になったなと感じています。
しょう: サビを軸にしてない曲というのも珍しいよね。しかも、80年代パンクじゃないけど、ちょっとしゃべってるような歌メロのサビなんですよ。そのスタイルって、コントラリエでは初めての試み。この曲、とくにライブで活きそうだね。
ぼん: これって僕には作れないメロディだから、そこは二葉の作ったメロディを活かしました。結果、また別のコントラリエの顔が見える曲になりましたからね。
わたる: これまでのコントラリエにはパンクな曲がないから、こういう表情も面白いし、「これはイケるな」という手応えも覚えてました。
――「自分肯定してほしくて」や「生きるのが面倒だったけど」など、歌詞へは、いろんな存在証明の言葉を記しています。
ぼん: 歌詞を書こうとした時期、電車の中でイラッとしたりなど、日々の生活の中で細かい苛立ちをめちゃめちゃ感じてたんですよ。そこから、イラッとしたことを一週間メモに取っていたんですね。理由は、自分と同じように思う人って、この社会にはたくさんいるんじゃないかなと思って。そういう、みんなが共通認識出来そうな苛立つ感情を歌詞に散りばめ、『存在の証明』の中へまとめあげました。結果、自分のフラストレーションをぶつけた楽曲にもなっています(笑)。
しょう: 『存在の証明』は、自分らよりもみんなが聴いてどう思うかが気になるんで、ぜひ感想の言葉を聞きたいです。
――やはり、フラストレーションは吐き出さないと。
ぼん: そうなんですけど。ただし、自分の苛立ちを誰かにぶつけてるわけではなくて、「この苛立ちを感じてるのは君だけじゃないから、一緒に盛り上がっちゃおうよ」という気持ちを持って書いてるように、そこは聴いてくれてる人たちのことを意識しています。
――歌詞を書くときには、つねにリスナーの存在は意識していること?
ぼん: もちろんです。『存在の証明』にしても、なるたけ独り言にならないようにと気をつけました。むしろ、「一緒に怒ろう」みたいな(笑)。今までの曲も、そう。リスナーへの目線は自然と入ってきちゃうこと。誰かが聴いてくれてるからこそ、こうやって伝えていきたくなる。その感情は、今回のシングル盤にも入れてます。
――ちなみにぼんさんは、「マイナス思考 豆腐メンタル」な人なんですか?
ぼん: とても傷つきやすい性格です。僕はそれを隠せない人なので、歌詞にも出しちゃってます。
人が持つ負の感情って、人を負にさせるだけではなく、何かを気づかせてくれたり、前へ進む原動力にもなる。
――『叫び』は、この作品の中でも一番ストレートに感情を吐き出した歌になりました。
ぼん: 『叫び』は誰かへ伝えるのではなく。今までの自分、今の自分、これからの自分を俯瞰し、どういう風に生きていくかを考えながら、自分自身の気持ちをめちゃめちゃ掘り下げて書きました。
――けっこうネカティブな感情を歌詞へぶつけていますよね。
ぼん: めっちゃネガティブな性格のせいか、いつも最悪な状態を考えながら生きてるからなんですかね(笑)。だけど人が持つ負の感情って、人を負にさせるだけではなく、何かを気づかせてくれたり、前へ進む原動力にもなるなと思ってて。だからこそ『叫び』へは、自分のマイナスな感情もすべてさらけ出しました。
――作曲は、しょうさんが手がけました。
しょう: まず、ロックじゃない曲をやろうと思って、そこから、学生時代に好きだったポストロックをコントラリエでやってみようと。だからぜんぜんビートもない、ベースとギターとドラムと電子音というか、擬似的クラブミュージックなイメージで作りました。まさに自分の趣味を投影した楽曲だけに、形になって嬉しかったです。
わたる: 正直、最初は「こんな曲をヴィジュアル系に持ってくるんだ」という印象でしたけど、出来上がりがすげぇ良かったんで、これはいいなと素直に思いました。
ぼん: ヴォーカル録りは、この曲が一番大変でしたけどね。
二葉:いかに歌声でサウンドへ表情をつけるか。そこが、この楽曲のポイントだからね。
ぼん:そうなんです。演奏は、ずっとループしていく状態。そこへ感情の波を作るためにと、「ここで一度前向きになり、ここで感情を爆発させ、ここでまた墜ちて」など気持ちの流れを組み立てたうえで、歌入れをしました。
――『叫び』が、一番「生きる」というテーマ性をリアルに表現している楽曲ですよね。
ぼん:『叫び』には一番自分のコアな感情を出せたなと思っています。家に一人で居るときの自分のような。それを『叫び』の中へさらけだしました。
人と上手くコミュニケーションを取ろうとするよりも、音楽で表現したほうが素直になれる。
――完成した3rdシングル『感傷モウメント』、それぞれ、自分にとってどんな作品になりましたか?
ぼん:今までは、4人で均等に目立つバンドが理想だったから、ヴォーカルとはいえあまり全面に立つのもなぁと思っていたんですけど。今回は自分の歌いたかったテーマがあって、そのテーマに合わせた3曲を作り、だいぶ自分の内面をさらしたことによって、どれも自分っぽい3曲になったなという印象があるんですね。結果、それがヴォーカリストとしての自信にも繋がったというか、「ここまで自分をさらけだしたんだから大体のことは出来るでしょ」という気持ちになったように、ひと皮剥けた感じはあります。
僕自身、素直になるのは苦手なんですけど。楽曲を通してなら素直になれることへ気づければ、人と上手くコミュニケーションを取ろうとするよりも、音楽で表現したほうが自分が素直になれるなと思ったので、そこは今後も大事にしていきたい部分ではあります。
二葉:夏のリリースにピッタリな1枚になったなというか。『感傷モウメント』で爽やかになり、『存在の証明』で熱くなって、『叫び』で夏の夕暮れな感じになる。どの歌も聴いててスーッと胸に入ってくるように、すごくいい作品であり、これからもいろんなことに挑戦出来るなと思えた1枚です。
しょう:今回、我慢するところは我慢して、出すところは出してというドラムプレイを心がけた結果、すごくタイトでスピード感を楽曲の中へ出せたように、本当に新しいコントラリエを描けたと思います。
わたる:自分的にも成長のわかるシングルになったなというか。ベースは、そんな目立ってはいないんですけど、歌う部分で目立つことが出来たので、僕は満足ですね。むしろ、これからもヴォーカルの部分を増やしたいです。
僕たちが生きるために必要なのは音楽をやること。
――発売日の7月11日より、インストアイベントがスタートします。しかもこの日は、ぼんさんの生誕祭も兼ねていますよね。
ぼん:正確には7月12日が誕生日なんですけど、7月11日に中野Space Qで行う僕の聖誕祭からインストアイベントシリーズが始まります。しかも、コントラリエとして初の試みとなるアコースティックライブも、インストアイベントでは行います。
今回のインストアイベントでは、3rdシングルの『感傷モウメント』に込めた「生きるために必要なこと」を全シリーズのテーマとして組み込んだうえで、表現していきます。始まりとなる7月11日には、「生まれること」をテーマにイベントの内容を組みました。その後も、インストアイベントごとに「言葉」「瞬発力」「息抜き」「知識」「食事」「仲間」「育つ事」と異なるタイトルを付けてるんですけど、全部のタイトルが「生きること」へ繋がっているように、それが「生きるために必要なこと」だなと僕らは解釈しています。しかもインストアイベントは、全ヶ所内容が違います。それくらい中身がとても濃いです。だからこそ、しっかりと観て欲しいんです。
わたる:アコースティックは今までにない形だから不安もありつつ、これまでとは違うことをやるので楽しみでもあること。しかも、7月11日以外は全部無料で参加出来ます。CDを買わなくても参加可能だから、ぜひ観て欲しいですね。
――7月28日には池袋EDGEでワンマン公演コントラリエ ワンマン「夏翔モウメント」が控えています。今回はどんな内容になりそうですか?
ぼん:4回目のワンマン公演になるんですけど、今回は『感傷モウメント』をリリースしてのワンマンですし、7月28日がしょう君の誕生日でもあれば、開けて8月がBadeggBoxに所属してから1周年となるように、しょう君を祝いつつ、所属してからの1年間の成果を見せる内容にしようかと計画中です。
――しょうさん、誕生日当日という嬉しさもあります?
しょう:いや、単純に、ワンマンを迎えるという気持ちだけですね。
わたる:何か、聖誕祭らしいことをやろうよ。
ぼん:しょう君のために何かを起こそうと思ってますし、『感傷モウメント』に描いたテーマ性も、今までの楽曲とリンクさせながら楽しく演出できたらなという気持ちもあります。何より、「僕たちが生きるために必要なのは音楽をやること」。そこをしっかり表現しながら、集まってくれる人たちと一緒に楽しい時間を過ごせたらなと思っています。
わたる:僕はワンマンのときのMCで何かをやらかしたい。普段のライブでは出来ないことを、それこそMCを通してお客さんを楽しませようと思ってるし、一緒に楽しもうと思っています。
二葉:今回のワンマン公演では、『感傷モウメント』のMVのフルサイズを無料配布します。ここでしかフルサイズのMVは見れないので、ぜひ手にしてください。
わたる:YouTubeにはアップしないからね。
TEXT:長澤智典
★映像★
『感傷モウメント』
★CD情報★
タイトル:「感傷モウメント」
品番:BDBX-0052
価格:¥1,500+税
発売日:2018年7月11日(水)
収録曲:
1. 感傷モウメント
2. 存在の証明
3.叫び
発売元:BadeggBox
販売元:BM.3
★LIVE情報★
コントラリエ ワンマン「夏翔モウメント」
出演:コントラリエ
公演日:2018年7月28日(土)
会場:池袋EDGE
開場/開演:17:00/17:30
料金:adv.,\3,500 door\4,500 *1DRINK別途
◆インストア詳細
http://contrarie.jp/news.php?id=8
●他、ライブスケジュール
2018.07.11 (Wed) 中野Space Q
2018.07.12 (Thu) 池袋EDGE
2018.07.14 (Sat) 大阪Varon
2018.07.15 (Sun) HOLIDAY NEXT NAGOYA
2018.08.07 (Tue) 名古屋ell.SIZE
2018.08.09 (Thu) 大阪Soma
2018.08.16 (Thu) 埼玉会館 小ホール
2018.08.19 (Sun) 新宿club SCIENCE
2018.08.29 (Wed) 渋谷REX