ベル、Chanty、Develop One’s Facultiesの3バンドによる合同全国ツアー「二進化十進法」。10月より始まった同ツアーも、14ヶ所16本目の公演地である12月1日(木)の下北沢GARDENでファイナルを迎えた。
ベル
トップを飾ったのは、ベル。気持ち馳せるスリリングなSEに乗せ、登場。「イケるかー!!」、昂る感情へ熱を塗り重ねるよう『やってない』が飛び出した。はしゃぎたい気持ちを煽るように、切れ味鋭い旋律と跳ねるビートを通し、ベルは観客たちを上へ上へ跳ねさせた。サビでは無数の手の花が頭上高く揺れている。なんなんだ、このゾクゾクッとする感覚は。もっともっと魂を震わせたい。その興奮を示すように、大勢の人たちがフロアーの中、右へ左へステップを踏みながら騒いでいた。
感情を唸らせる夢人の野太いギターのフレーズと正人の跳ねるドラム演奏に乗せ飛び出したのが、『涙傘』。明弥のベースが叩き出すディスコビートが身体を刺激する。躍動する演奏の上で切ない香りもまぶしながら、ハロは観客たちを興奮へ導いた。感情は、確実に熱を帯びてゆく。踊らずにいれない。その気持ちへ拍車をかけるように、ベルはスリリングで歌謡メロな『バイバイ』を突きつけた。 ハロの挑発する歌声や3人の疾走する演奏に刺激を受け、アドレナリンが身体中から湧き出す。その高揚感が、たまらない。むしろ、もっともっと魂を淫らに狂わせてくれ。
「楽しまなきゃ損だろ、なぁ!!」、情熱の風を吹かせるエスノビートに乗せ届けたのが『季節風』。「さぁ飛び立とう、ここから」、身体中を包む熱風へ飛び乗り一緒に跳ねたい。感情昂る熱を吹きつける音楽の風と共に、心地好く空まで舞い上がりたい。情熱ロマンチックな歌詞が、気持ちへ淫らな高揚を注ぎ込む。もっともっと気持ちを熱く揺さぶって欲しい、そんな気分だ!!
「まっ逆さまに墜ちてく そんな夢を見たから」。それまで上がり続けた気持ちへ刹那の風を送り込み、ゆっくり墜ちるように、哀切でミドルメロウな『Deneb』をベルは届けてくれた。胸をキュッと締めつける歌に抱きしめられながらゆっくり落下するように、切ない気持ちをジンワリ心へ染み込ませ墜ちてゆく感覚が、とても心地好かった。これも、ベルが切なさをチクチクとした痛い興奮に変えてくれたから?!。
「僕、バンド人生でこのツアーが一番楽しかった。一公演一公演思い出に残ってるし、夢にも出たくらい。まだまだ楽しんでいけますかー!!」、ハロの煽りへ応えるように、妖しくも極彩色なキラメキを放ちながら『RED』を演奏。火照ったダンスロックナンバーを通し、ベルはこの空間をふたたび情熱と妖艶な匂い渦巻くパラダイスへ塗り変えた。フロアー中で大きく揺れる無数の右手、その姿は興奮に身体をくねらせる踊り子たちのようだった。お馴染み、ハロと観客たちによる「ワァオ!!」「ワァオ!!」と叫ぶ熱い声のやり取り。ファンキーなフレーズへ飛び乗り、『音見世ディスコ』を奏でると同時に、グルーヴィな演奏が唸りを上げ場内で暴れだした。妖しい刺激を振りまく濃密な楽曲に挑発され、跳ねる観客たち。サビでは大勢の人たちが「ワァオ!!」と叫び、手にしたタオルを思いきり振りながら跳ね続けていた。火照った恍惚と興奮に感情が支配されてゆく。このままイキきりたい。そして…。
最後にベルは、『真夏のバラッド』をぶつけてきた。夢人の刺激的なギターの旋律に合わせ、手にしたタオルを振りまわしはしゃぐ観客たち。途中には、Chantyのメンバーらも乱入。彼らは、ファンたちと一緒に跳ねたりWAVEしたりと好き勝手に騒ぎだした。いいよね、気心知れた仲間たちだからこそ気軽に飛び入りし、みんなではしゃげるって。まさかまさか、最初からこんな嬉しいサプライズが飛び出すとは…「全バンド、トリの気持ちでやっている」とハロが最後に語ったよう、今宵のライブは間違いなく何かが起きそうだ。
Develop One’s Faculties
二番手を担ったのがDevelop One’s Faculties(以下、DOF)。アバンギャルドなSEへ誘われ、舞台に姿を現したメンバーたち。観客たちの感情へ熱い音の弾丸を連射するようにギターの音を掻き鳴らし、DOFはアグレッシブでエナジーあふれた『斑』を突きつけた。身体を痛く、激しく揺さぶる轟音情熱的な演奏が、観客たちを一瞬にして荒ぶる姿へ変えてゆく。大きく身体を揺らし騒ぐ人たちの群れ。それ以上に野生の咆哮を、彼らは雄々しき歌と演奏へぶつけてきた。
高揚導く激しいダンスロックナンバー『結果論』が生み出すウネリに身を預けながら、高く高く飛び跳ねる観客たち。雄大でスケールあふれた音のうねりへ巻き込まれたが最後、その唸りの中で激しく乱れ狂っていたい。なんて刺激的で、ヤバいくらいに虜になる劇薬音だ。興奮覚える身体へさらに熱気を注ぐよう『有為転変は世の習い』を演奏。エッジ鋭くスリリングなギター音と跳ねる演奏に触発され、身体が大きく躍動する。「わかんねぇことばっかだから 俺はここで歌ってる」「奇麗事ばっか並べんな~俺はここで叫んでる」と歌うyuya。確かに理屈なんかどーでもいい、身体が騒ぎたいと叫んでる以上、僕らは自由に騒がせてもらうよ。
スポットライトを浴びギターを掻き鳴らすyuya。Johannesのドラムビートが重なると同時に、演奏は空間美活かしたメロウな『メランコリィな生活』へ。放たれた音の数々が、場内へ身体をチクチク刺激する音の糸を張り巡らせる。その糸に絡まった僕らは、激情する演奏に身動きも忘れ、心をとらわれていた。
演奏は、冷たい風を場内へ吹きつけるように荘厳メロウな『monochro』へ。その音は、触れた人たちの心を凍らせ、ゆっくり奈落へ墜としていく。演奏が進むごと、赤みを帯びてゆく感情、それはyuyaの歌に気持ちを揺さぶられ、心が刹那の熱を感じていたから?。なんて胸を切なく掻きむしる歌だろう。その声を、その演奏を、胸の内にギュと抱きしめていたかった。それくらい感情を、彼らは蒼い音世界の中で熱く揺さぶってくれた。
激しくギターを掻き鳴らすyuya。沸きだす手拍子。そのリズムは情熱を抱いた民族音楽風の表情へ。触れた人たちを異空間へ連れだすように流れた『フラスコを振ると天秤揺れた』。気持ちの内側へ熱を注ぎ込む楽曲に刺激を受け、身体の奥底から興奮というアドレナリンが沸きだした。演奏が進むにつれ観客たちもはしゃぎだす。何時しか場内には、情熱的な演奏に刺激を受け、身体を大きく揺さぶる人たちがあふれていた。
dettoのヒステリックなベースフレーズからの幕開け。クールな中にも滾る熱を秘めた変拍子ナンバー『この世界が嫌いな人へ』の登場だ。ジワジワと上がってゆく感覚が心地好い。サビでは大勢の人たちが手を天高く上げ、身体を大きくくねらせていた。「これが音楽だ」、yuyaの言葉通り、DOFは緩急巧みに活かした演奏を魅力に観客たちを虜にしてゆく。「素敵な世界を一緒に」、身体中へ光を射すような『My World』だ。舞台の上には、先ほど演奏を終えたベルのメンバーが姿を現し、心地好く跳ねる演奏に合わせ無邪気に飛び跳ねていた。何時しか演奏はトライヴァルなダンスロックナンバーへ。その変化に合わせ、会場中の人たちも気持ちをトリップさせるダンスビートの上で心地好く跳ね続けてゆく。
「あったまってきてるよね」、先程までの横ノリな演奏から、一変。再びアグレッシブなギターロック音を突きつけ、観客たちを煽りだした。激しく疾走する演奏に煽られ騒ぐ観客たち。『残念な唄』が、もっともっと騒ぎ立てろと刺激的な音を身体中へ注いでゆく。暴れ狂いたい、もっともっと騒ぎたい。その気持ちを掻き立てるようにDOFの中で最もエモーショナルな『insert memory』が爆走。ただエネルギッシュなだけではない、変幻してゆく展開とスケールあふれた表情が触れた人たちの心へ興奮のドラマを描き出す。感情振り乱し叩きつけた歌と演奏に煽動され、我を忘れ拳を振り、騒ぎ続ける観客たち。なんて劇薬のような音楽だ。危険とわかっていても、一気に飲み干し恍惚に酔って狂いたくなる。そんな病み付きになる刺激的なライブをDOFは届けてくれた。
Chanty
トリを飾ったのがChanty。澄み渡る壮麗なキターの旋律が場内へ響き渡る。瞬時にして観客たちを冷たく美しい異空間へChantyは連れ出した。旋律の上でゆっくりと舞う芥。潤いを持った旋律の波紋広がる音へ響く声を重ねるように、芥が『冷たい手のひら』を歌いだした。千歳のギターが唸りを上げると共に、楽曲は蒼に包まれた幻想的な空間を作り出す。なんて美しい衝撃だ。魅了される?!。それ以上に感情の琴線とシンクロしてゆく歌と旋律に共鳴し、心地好い恍惚を心に覚えていた。
その演奏は、気持ちへ一瞬にして翼を植えつけた。「二進化十進法単独公演20曲目、フライト」と言い放った芥の合図で、『フライト』が唸りを上げて舞い始めると同時に、感情も一気に飛翔。芥の声をアナウンスに、会場中の人たちが一斉に騒ぎだした。高らかに響く千歳のギターの旋律、成人と野中拓が叩き出す疾走する演奏に触発され、心を熱くトリップせずにいれなかった。場内で大きく揺れる両手の翼が、その姿を示していた。
もっともっと興奮したいんだろと挑発するように煽る芥、絶叫飛び交う場内へ沸騰した熱を注ぐように『やんなっちゃう』を注入。身体を激しく揺さぶる躍動的な演奏に触発され、絶叫を上げる観客たち。サビではタオルを振りまわし、誰もが宴の跳ね人と化していた。Chanty流祭り歌が、ここに季節外れの祭りの光景を生みだした。上がり続ける興奮、天井知らずな熱狂こそ祭りに相応しい光景だ。「お前らと一緒に幸せの渦を作ろう」、フリーキーでハードエッジな『不機嫌』が飛び出すと同時に、フロアー中が頭振り乱す光景に塗り変わっていた。感情的な音を激しく挑むように突きつけるメンバーたち。なんて煽情的な楽曲だ。煽る歌や演奏に触発され、我を忘れ騒いでたい。そうしてなきゃ、Chantyの気迫に呑み込まれてしまう。剥き出しな感情には、剥き出しな熱狂をぶつけなきゃ楽しくない。頭振り乱し騒ぐ観客たちの姿が、それを物語っていた。。
「みんなで育てた曲を一つ」、タイトな成人のドラムの上で野中拓のスラップベースがファンキーなディスコビートを刻み、千歳が刺激的でトリップ感満載なギターのフレーズを突きつけた。Chantyは『インピーダンス』を魅力に、観客たちをうねる世界へ連れ出した。手拍子を求める芥の呼びかけに応えるよう、大きな熱を持って包むグルーヴへ熱く身体を預けてゆく観客たち。終盤には、演奏に合わせ飛び跳ね、興奮へ身を踊らせてゆく場面も。千歳のギター演奏へ折り重なる芥の歌声。ゆっくりとした幕開けと共に始まった『比較対象』。そこへ成人のドラムか突き刺さると同時に、演奏は一気に熱を発しながら駆けだした。Chantyは込み上がる想いを疾走する演奏に乗せ、四方八方へ解き放ってゆく。
「今が輝けるのは昨日でも明日でもなくて今日この瞬間だけだろう?。激しく音を掻き鳴らす演奏陣、身体中から熱したエナジーを撃ち放つように、Chantyは沸き上がる感情のままに『m.o.b.』を叩きつけた。絶叫にも似た声で歌い叫ぶ芥。理性なんか捨て去れ、気持ちを熱く掻き立てる歌や音と一緒に騒ぎ狂え。それが、ここには一番相応しい姿だから。力強く突き上がる拳が、頭振り乱す光景が、それを物語っていた。
「この3バンドが羅針盤となって未来へ突き進んでいく」。その言葉を示すように、Chantyは『C』を演奏し、右へ左へ駆ける観客たちを、光ある未来へ連れ出した。サビで作り上げた場内中に無数のタオルが廻り続ける光景。Chantyは揺れる大きな熱狂の波をフロアーに描き、馳せる気持ちのまま眩しい光へ心の手を伸ばしていった。「この繋がった糸が切れないように」、最後にChantyは『赤い糸』をプレゼント。スキップするよう軽快に走る楽曲、ウキウキと気持ちが弾む。誰もが身体を優しく揺らし、その演奏に大勢の人たちが心や身体を預けていた。終盤にはベルのハロとD.O.Fのyuyaも登場。観客たちと一緒に「ラララーラララー」と場内へ響かせた合唱が、途切れたくない歌声の糸として互いの心を固く結んでいった。
セッション
アンコール前には、今回のツアーを振り返る映像を上映。最後に、メンバー全員がふたたび舞台へ集結。
「この先の未来へ一緒に向かっていきませんか!、派手にやろうなー!!」、芥の煽りに続いて演奏したのが、イベントの冠にも名付けたパーティロックチューンの『二進化十進法』。Chantyの演奏を軸に、芥とハロ、yuyaがそれぞれにマイクを握り、熱唱。他のメンバーたちが舞台上ではしゃげば、客席でもステージ上のメンバーとシンクロするように大勢の人たちがジャンプ。とても耳心地好くキャッチーな楽曲のように、誰もが胸を嬉しく騒がせる演奏に合わせ、突き上げた腕を大きく振りながら、3バンドのメンバーたちと一緒にこの楽しさを味わい尽くしていた。
この熱狂、もっともっと味わいたい。「夢の続きは沖縄でやろうぜ」「ソールドさせようぜ」「ソールドさせたらTSUTAYA O-EASTで、日本武道館でやろうぜ」と叫んだメンバーたち。。。
彼らは、本気でこのシーンを「B.C.Dの3バンド」の力で塗り替えようとしている。彼らを本気で求めている人たちも、全国各地へ確実に増えている。
最後に嬉しい発表を。2018年5月12日と13日、沖縄Outpitを舞台に「二進化十進法」の追加公演が決定。ぜひ熱狂の続きを、彼らと一緒に熱い地で、熱いライブを通し、汗まみれで楽しんでくれ。
PHOTO:
TEXT:長澤智典
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Develop One’s Faculties Web
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Chanty Web
http://chanty.jp/
Chanty twitter
https://twitter.com/chanty_news
★―セットリスト―★
ベル
『やってない』
『涙傘』
『バイバイ』
『季節風』
『Deneb』
『RED』
『音見世ディスコ』
『真夏のバラッド』
Develop One’s Faculties
『斑』
『結果論』
『有為転変は世の習い』
『メランコリィな生活』
『monochro』
『フラスコを振ると天秤揺れた』
『この世界が嫌いな人へ』
『My World』
『残念な唄』
『insert memory』
Chanty
『冷たい手のひら』
『フライト』
『やんなっちゃう』
『不機嫌』
『インピーダンス』
『比較対象』
『m.o.b.』
『C』
『赤い糸』
セッション
『二進化十進法』