2017年11月24日、金夜のShibuya eggmanは、笑顔で埋め尽くされた。AKARAとして4回目のワンマンライブ【CROSSBORDER】は大盛況! アコースティックセクションではAKARAの新たな一面も!?

Photo by Michiyas Suzuki

AKARAとして4度目のワンマンとなる【CROSSBORDER】。昨今の活動では、海外からの注目も高まっており、文字通り、国境越えしつつあるのを証明するかのように外国人ファンの姿が。そして19時を過ぎたころ、オープニングアクトのViridian ValentiのMisakiとMoenoの二人がアクトを開始した。3曲のステージとなったが、YAKARA(AKARAファンの総称)達から温かい拍手が送られていた。

Photo by まい
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そして幕が閉じられ、再び開いたステージには、YUUが1人。和太鼓独奏『野郎』によって、AKARAとして4度目のワンマンとなる【CROSSBORDER】は、幕を開けた。テンポアップするごとに客席のテンションは上がっていき、かなり高まったタイミングで、『ZIPANGU』のイントロSEが流れ出すと、会場は揺れ出した。赤いサイリウムを突き上げ、のっけから飛ばし始めたYAKARA達を煽るかのように『RED』でさらにたたみかけると、より激しくサイリウムが振られる。そしてさらに今晩は休ませないぞ!と言わんばかりに『MOMENTS』を。疾走するヘビーチューンを冒頭に持ってきた今宵のセットリストは、彼らの本気度合いを感じざるを得ない。それに呼応するかのように最前では激しいヘドバンが。コーラスのデスボイスも厚みを増してきており、重厚なステージが創り上げられていた。
Photo by まい
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「まだまだいけるよね!」とのMIKIKOの煽りと共に『BREAK IT』へ突入した。イントロの同期が流れ出すと共に手拍子が。ここに来てのミドルチューンは底抜けに楽しい。ステージライトに照らされた最前のYAKARA達の笑顔は、本当に楽しそう。続いて、美しいメロディラインが耳に残るバラード曲『蒼天』。青いサイリウムがゆっくり心地よさそうに揺れる。篠笛と尺八の掛け合いも楽曲に彩を添えていた。そして篠笛TAKAの奏でる主旋律が印象的なインストナンバー『夏疾風』では、再び会場を疾走モードにひっぱっていった。
Photo by アオキヤスノリ
Photo by アオキヤスノリ

ステージには、尺八のKIZENと箏のTommyの二人。AKARAのワンマンではお馴染みの古典タイムだ。KIZENの柔らかなMCで楽曲が紹介されると、会場も和やかな雰囲気に。『楓の花』では、箏と尺八にのせ、Tommyの地歌も披露。赤いライティングに包まれ、厳かな空気に。尺八独奏の『鹿之遠音』では空気が澄んでいくかのような感覚に。そして本日、世界初演となるMIKIKO・Tommy作曲TAKA編曲による『Aphrodite』が披露された。無色透明をイメージした音色は、ハープのようなテイストも感じさせ、美しさと力強さを感じさせる楽曲に仕上がっていた。箏ならではのアタック音が芯の強さを感じさせてくれた。
photo by KENTARO IGARI
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古典タイムが終わると、『琥珀』の軽快なリフと共に桃色の着物からドイツでも披露した攻撃的な赤い着物に衣装チェンジしたMIKIKOが登場。しっとりと落ち着いた会場のテンションを再び軽快な縦ノリへと戻していった。ステージも客席も手拍子と笑顔に溢れ、緩急を極めたライブ構成は、着実に力をつけてきた証と言えるだろう。
Photo by KENTARO IGARI
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『琥珀』終わりでおもむろにドラムがカホンにチェンジ。そう、今回のワンマンの特徴とも言えるアコースティックセクションだ。船上での演奏など、アコースティック編成での演奏もこなしてきた彼らだからこその試みであると言えよう。MIKIKO曰く、お酒が飲めるアコースティックアレンジとのこと。福島の復興支援関連でにごり酒「愛のうわずみ」が用意されていたが、そこは流石のYAKARA達。MCで紹介した時には既に売り切れとなっていた。
Photo by アオキヤスノリ
Photo by アオキヤスノリ

アコースティックセクションの1曲目は『名も泣き花』。ステージ上には、AKARAメンバーは、MIKIKOとTommyの女性二人だけ。愛されたい女性の気持ちを歌った楽曲だけに女性メンバーだけで演奏するとさらに女性の気持ちがダイレクトに響き渡った。AKARA男性メンバーがステージに戻ってくると、メンバー紹介が行われ、KIZENが日本語詞を作詞した『Trail』へ。この日はアコースティックアレンジにするだけでなく、歌詞も英語詞に。ジャジーな雰囲気を醸し出しながらもAKARAの色はしっかりと残した大人なアレンジとなっており、情熱的に歌い上げるMIKIKOのボーカルはシャンソンやソウルのテイストすら感じさせた。そしてアコースティックセクション最後のナンバーは『孤高』。こちらも英語詞での披露となったが、アメリカやオーストラリアから参加したYAKARAの為にMCも英語で行われた。激しい縦ノリの楽曲が横ノリのアレンジになっていた為、少し不思議な感じもしたが、各々のノリで聴き入っており、ライブハウスというよりは、一瞬、ここはジャズバーなのではないかと思ってしまった。これからも色んなAKARAを魅せてもらいたいものである。
Photo by アオキヤスノリ
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通常構成のAKARAに戻っての1曲目は『Edge…』。アコースティックからの戻りは、やはりバラード曲が優しく、YAKARA達の青いサイリウムも心地よさそうに揺れていた。続いてはインスト曲の『流音』。軽快な同期から尺八と篠笛のアンサンブルが会場をグイグイ引っ張っていく。インスト曲で会場を引っ張っていく事ができるのは、楽器隊のスキルの高さは言わずもがな、AKARAはメンバーの誰もが主役になれるバンドとなってきた故のことだろう。続いて囃子とドラムのセッション『乱序狂ヒ~Düsseldorf Hommage~』では、篠笛のソロになると、会場のスタンディング席のYAKARA達が全員座って、両サイドのシート席にも見えやすくするという一体感。ハードなドラムが入ってくると再び総立ちとなり、大きな拍手に包まれた。
Photo by アオキヤスノリ
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その激しさはそのままにAKARAの疾走ナンバーのレコ発である最新シングル『STORM』へ突入。エモーショナルにMIKIKOが歌い上げれば、サビでは縦に振りかざされた赤いサイリウムが咲き乱れた。デスボイスでのコーラスにあわせ振りかざされた拳からは、YAKARA達の絆とパワーを感じざるを得なかった。そしてラストは『陽炎』。会場みんなのコーラスがあってはじめて楽曲として完成するため、ワンマンのラストナンバーに相応しいセレクトと言えるだろう。手拍子から巻き起こる掛け声、サビ前ではみんなで跳ね、手拍子はどんどん大きくなっていく。そして客席サイドのコーラスパートで会場の一体感は最高潮に。赤いサイリウムに囲まれ、MIKIKOのあおりにもどんどん力が入っていき、楽曲終わりで会場全体が完全にはじけた。
Photo by KENTARO IGARI
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「ありがとう」の言葉を残し、メンバーはステージをはけていったが、手拍子と「wow wow wow」の掛け声がやむことはなく、そのままアンコールのリズムへかわっていき、AKARAコールへ。ほどなくして、メンバーが次々とAKARA のTシャツスタイルでステージへ戻ってきた。そして最後にいつもの着物姿のMIKIKOが戻ってくるとサポートメンバーの紹介がされた。アンコールの1曲目はなんと新曲の『Reload』。ワンマンのアンコールに新曲を持ってくるとはにくい演出である。デジタルノイズのような近代的なサウンドが流れ、ザクザクしたリフが刻まれていく、そこにTAKAの力強いラップがのると、スクリーモやミクスチャーのような仕上りに。これでYAKARA達が暴れない訳がない。最前はヘドバンの嵐となり、会場が揺れたのは言うまでもないだろう。もちろん激しさの中にもクリーンな箏の旋律が前面に出てくるあたりは、文句なしのAKARAの楽曲と言えるだろう。今後、どのように育っていくのか楽しみな楽曲である。そして本当のオーラスへ。
Photo by まい
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「おまえらイケんのかー!」「かかってこいやー!!」とステージ上からは、これでもかといわんばかりに煽る。それに呼応するかのように振りかざされる赤いサイリウム。いつ終わるとも知れぬコールアンドレスポンスが絶頂を迎えた頃、『孤高』が始まった。アコースティックも良いが、やはり『孤高』は縦ノリで暴れたい。ステージ上も客先サイドもみんなで暴れ、ステージ前はもみくちゃの状態に。Bメロで広がった柵ダイは、ラストに向けて猛烈なヘドバンの応酬へとかわっていった。振り回されるというよりは、ブン回されると言った方がしっくりくるほどに赤いサイリウムは暴れまわり、間違いなくこの日一番の盛り上がりをみせ、大歓声と共に幕を閉じた。

TEXT: Akihito Koshio

★セットリスト★

和太鼓独奏「野郎」
ZIPANGU
RED
MOMENTS

BREAK IT
蒼天
夏疾風

三曲 明治新曲「楓の花」
尺八独奏 琴古流本曲「鹿之遠音」
箏独奏「Aphrodite」
琥珀

名も泣き花(レコ発) ※アコースティック
Trail(英語ver)※アコースティック
孤高(英語ver)※アコースティック

Edge…
流音
囃子&ドラムセッション「乱序狂ヒ~Düsseldorf Hommage~」
STORM(レコ発)
陽炎

-アンコール-
Reload(新曲)
孤高

★公式情報★

邦楽ロックバンド『AKARA』オフィシャルサイト
http://akara.tokyo/
AKARA【公式】twitter
https://twitter.com/akaraofficial
AKARA【公式】facebook
https://www.facebook.com/akararock

★音源情報★

2017年11月24日 ON SALE
STORM / 名も泣き花
STORM / 名も泣き花

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