この日のために、愛沢絢夏はこの夏のすべてを費やしてきた。10月25日(水)、渋谷VUENOSを舞台に愛沢絢夏は生まれて初めてとなるワンマンライブ「ボクのいる場所」を開催。現在は仙台をベースに活動中、いや、仙台に拠を構えながら、今年の夏より東京を中心にイベントライブへ積極的に出演。これも、音楽の中心都市である東京で成果を上げねば、その勢いを仙台に…東北へ浸透させるには難しいとの判断から。仙台のガールズロックシーンを活性化してゆくうえでも、まずは東京で一旗を上げたい。何かしらの成果を打ち出したい。その強い意志を持ち、今年の夏以降、愛沢絢夏は東京を軸に積極的にライブ活動へ打って出た。
10月25日は愛沢絢夏の誕生日。あえて彼女は、みずから生まれた日をワンマン公演に重ねてきた。「僕が生まれ、ここで歌うのには、こういう意味がある」。だから彼女は、この日のタイトルへ「ボクのいる場所」と名付けた。さらに愛沢絢夏は、自身の誕生日に合わせ最新4thシングル『WAKE UP』もリリース。さぁ、そろそろ当日の模様を、みなさんへお伝えしようか。
沸き上がる手拍子と歓声へ吸いよせられるように姿を現したメンバーたち。最後に、天高く拳を突き上げ愛沢絢夏が登場。
冒頭を飾ったのは、3rdシングルの表題歌『ボクがいない世界』。「僕の場所を捜していた」、軽快に駆けだした演奏に乗せ、満面の笑顔で彼女はそう歌いかけた。この舞台上で歌うことが、この場所が自分の居場所だと確かめるように…。彼女は笑みを浮かべ、後ろまで人の詰めかけたフロアーを見つめながら、ライブという自らの生きる場所の上で存在を示していた。客席で大きく揺れる無数の手が、その存在と握手を交わそうと伸びていた。
「まだゴールなんて、何処にも見えやしない」。熱を持って走り出した演奏。身体を小刻みに揺らし、駆けるビートを全身で受け止め、愛沢絢夏は挑む姿勢で『in the future』を歌いだした。激しく攻める演奏の上、魂の奥底から沸き上がる熱く燻る感情を、彼女は雄々しい歌声に乗せ突き付けた。その歌声へ、拳と叫びで想いをぶつけてゆく観客たち。いい感じで場内へ熱が沸きだしたようだ。
「飛ばしていこうぜ渋谷!!」、モノクロな感情へ、火照った色を塗りたくるように愛沢絢夏は『モノクローム』を熱唱。気持ちの内側へ秘めた感情を一気に解き放つよう、彼女は身体を揺さぶり、吹き出す情熱を歌声へぶつけてゆく。間奏で場内へ生まれた拳と拳の応酬。「傷つけて傷つけた」、みずからの痛い感情を切り刻むように、愛沢絢夏はその歌声へ漲る想いを突き付けていった。
「今日は忘れられない夜にしてやろうと思っています。この3ヶ月の活動を通して、小さな幸せがとても大切なことに気づかせてもらいました」
ひと夏の経験を通し、愛沢絢夏は当たり前にある幸せの大切さを、ライブという場を通し感じ続けてきた。その想いを歌に乗せ届けようと作ったのが、バラード曲『当たり前の幸せ』。雄大な景観描く演奏の上で、胸の奥からジワジワ沸き上がる想いを、触れた人たちの心へひと言ひと言しっかり響かせようと彼女は歌いかけてゆく。「当たり前の幸せを唱えて 僕は大丈夫かと問いかける たとえ道を外れたとしても 君がいるなら何も問題はないんだ」。これは、愛沢絢夏のファンに対する想い。その気持ちと握手を交わした人たちが、この会場にはたくさん詰めかけていた。彼女が伸ばした歌声の手を、誰もがしっかり心で握っていた。
『song for』は、今にも壊れそうな儚さを抱いた切々としたバラードソング。演奏が進むごと胸が沸き立つのは、彼女の心の叫びと重なり合ったから?!。「一人じゃないどんな夜でも」、この歌も、愛沢絢夏からファンたちへ向けた想い。次第に大きな景観を描く楽曲へ、彼女は雄々しき歌声で感情的な色を塗り重ねてゆく。熱を抱いたその歌声は、確かに心を揺さぶっていた。
光へ向かって駆けだすように飛び出した『go for it』の演奏。愛沢絢夏は大きく手を掲げ、仲間たちへ一緒に叫ぼうと声をぶつけてきた。「一人じゃない顔をあげて またここから踏み出す一歩 君を輝かせる」。まだ見ぬ明日へ、その先に待っている未来をつかもうと彼女は歌いかける。その歌声は、一緒に未来へ進もうと触れた人たちも引き連れてゆく。「踏み出す一歩 君を輝かせる」。誰も、先のことなんてわからない。でも、高みを目指し生きてゆくことが大切だと彼女は呼びかけた。その誘いへ一緒に飛び乗りたい。疾走する演奏と雄々しい歌声に触れながら、気持ちは確かな一歩を胸の中で踏み出していた。
ここからは、HERe:NEのギタリスト煉も参加。披露したのが、最新シングルに収録した激烈でハード&ロックンロールな『break down』。ザクザクとした音とソリッドで切れ味鋭い2本のギターの音色が交錯してゆく中、愛沢絢夏は重心を低く構え、観客たちを煽るように歌いあげてゆく。何時しか場内には絶叫と無数の突き上がる拳が。気持ちを熱く昂らせたい?!。ワイルド&タフな楽曲に乗せ「break down」と叫ぶ愛沢絢夏、その言葉はもっともっと壊れろという合図だ。
愛沢絢夏の歌声と掛け合うよう、会場中の人たちが拳を突き上げ「Crazy for Crazy」と声を上げてゆく。気持ちを一つにした叫びが場内で連呼。その熱を抱きながら、演奏は『Be Crazy』へ。ハイウェイをフルスロットルで爆走してゆく演奏へ誰もが飛び乗り、拳振り上げる愛沢絢夏の動きにシンクロしながら飛び跳ねてゆく。誰もが、理性を忘れクレイジーな野獣に様変わっていく。ぶっ壊れるくらい一緒に歌い叫び、拳振り上げ飛び跳ねてこそ、此処にいる資格がある。むしろ、クレイジーな自分に戻ることがこの場に相応しいユニフォーム。まさに「be Crazy」な様が、場内に生まれていた。
残っている理性なんか破戒しちまえと、愛沢絢夏は『Crash』を突き付けた。心地好い緊張感を抱いた始まりの風景。みずからも魂の枷を引き契り、雄大な楽曲の上に雄々しき歌声を熱く塗り重ねてゆく。これぞ愛沢絢夏流のスタジアムロックナンバー。大きな唸りの中へ呑み込まれてゆくことが、とても気持ちいい。轟音の中から響いた「君の瞳に私は映ってるの 何を見つめている 隠せない心の声」、その歌声に熱した感情がグイグイ引き寄せられてゆく。
「全員で最強の夜にしようぜ!!」、ザクザクとしたギターサウンドの上で飛び出した『INSPIRE』。沸き上がる感情を荒々しい演奏と歌声に乗せぶつけたい。「伸ばした腕を見失わないで」、もっともっと感情を燃え尽くし、イッちゃいたい。天高く拳を突き上げ、「どんな瞬間でも見失わないで 手を伸ばす光へ向かって進んで行くよ」と仲間たちを煽る愛沢絢夏、彼女の想いへ絶叫と拳で呼応する大勢の観客たち。
手にしたタオルを振りまわし歌いだしたのは、愛沢絢夏流パーティロックンロールナンバーの『HARUKAZE』だ。眩い光を抱いた楽曲、その輝きを熱気と一緒に会場中へ拡散するように、大勢の人たちがタオルや拳を振りまわしていた。「春の風が僕に強く吹き付ける 背中押すように」、愛沢絢夏と観客たちがこの空間に作りあげた風は、理性をブヂ壊すに相応しい熱狂のハリケーンだ。
「この3ヶ月間の中、ライブを通して出会えたみんなとこうやって再会出来て嬉しいです、この3ヶ月間、自分の生きる場所を探すために1本1本ライブをやってきました。今日やっとスタート出来た気がします。気がついたらこんなに仲間が出来ました。最後に、この3ヶ月で感じた想いを詰め込んだ曲を歌います」
最後に届けたのが、この日のタイトルにも名付けた『僕のいる場所』。「必死になってここまで来た 先のことは何も考えずに」「僕はここにいる この場所はまだまだ小さな世界だけど」。みずから歌う意味を、マイクを手に声を響かせる場所の大切さを覚えた気持ちを、この日も愛沢絢夏は歌声に乗せ、目の前にいる大勢の仲間たちの心へ真っ直ぐに届けてきた。「歌いたい」じゃない、「何故、自分はここで歌うのか」…。「僕はここにいる この場所はまだまだ小さな世界だけど」と愛沢絢夏は歌いかけてきた。確かに今は小さな世界かも知れない。でも、その中へ集った人たちは、この日会場に来れずに応援している人たちは、間違いなく愛沢絢夏の歌に光を注がれている。その眩しい光に手を伸ばしたくて、その光を浴びたくて、ライブという太陽(愛沢絢夏)がいる場所へと集う。彼女は何時だって、大きく手を突き上げながら「僕はここにいる」と歌いかけてゆく。彼女もまた、フロアーに輝くたくさんの光へ心をすがっている。愛沢絢夏が唄う理由、そこはぜひ、あなたなりに汲み取ってくれ。
「今日は泣かないと決めてるんや、だってここからがスタートだと思っています。これから一個一個証明していきたいと思っています。私の地元福島に、東北に、何か一つでも還元出来たらと思ってます。私が大きくなって福島で主催イベントやったらさ、みんな遊びにきてよ。絶対に叶えるからさ」
アンコールでもクレイジーになって馬鹿騒ぎしようと、ふたたび『Be Crazy』をブースト。場内にこだまする「for Crazy」の歌声。誰もが愛沢絢夏と一緒に飛び跳ね、この時間を失くしたくない永遠として感じ続けようと、喉張り裂けんばかりに「Crazy for Crazy」と叫び、騒ぎ祭っていた。
「自分を鼓舞するために作った曲があります。それは、これからもずっと変わらんし、みんなと進んでいきたいと心から思っています。私からみんなに届けたいと思います」
「人は何時も間違いを繰り返して たくさんの別れ道に出会う 人生を賭けて答え探すために 僕はここで歌ってるんだ」。最後に届けたのが、最新シングルの表題歌『wake up』だ。光を求め疾走する演奏の上で愛沢絢夏が、仲間たちがタオルや拳を振りまわし、共に想いを分かち合ってゆく。彼女と出会ったから、彼女が切り開く道を一緒に走りたいから…。この時間を、この瞬間を、この興奮を、この熱気を、ともに分かち合いたくてここへ集っている。「僕の生き方で証明するから」と愛沢絢夏は歌いかけてきた。今はまだ小さな集まりかも知れない。でも、たった3ヶ月で…最初は数人にも満たない人数だった仲間が、たった3ヶ月で3桁近い仲間へと膨れ上がった。それが確かな答え。その仲間になれたことが嬉しいじゃない。場内に響き渡った「オーオーオー」と一つになった歌声が、仲間たちの繋ぎ続けたい絆を示していた。
最後にサプライズでケーキが登場。そのケーキを手に集まった仲間たちと記念写真を撮影し、この日のライブは幕を閉じていった。
次に愛沢絢夏が向かう道は何処へ繋がるのか、まだ見えぬその道を、ぜひ一緒に突き進まないか?!
PHOTO: miwa
TEXT:長澤智典
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★愛沢絢夏情報★
10月29日 今池3STAR×REFLECT HALL×GROW ※3会場サーキット
10月31日 川崎 セルビアンナイト
11月15日 巣鴨 獅子王
11月21日 渋谷CROWL
11月23日 恵比寿 club aim
12月22日 吉祥寺クレッシェンド