南るみ、1stミニアルバム『そのうちなんてありえない』全曲解説!!

 今年2月に活動を休止したCaramel。そのヴォーカル/ギターとしてフロントに立ち続けてきたルミこと南るみ。彼女は、5月に行った初ライブの場を通し、「ソロシンガーとして活動を続けてゆくこと」を宣言した。その日を境に、彼女はコンスタントにライブ活動をスタート。同時に、水面下で音源の制作も続けてきた。
sub2
9月30日、南るみは1stミニアルバム『そのうちなんてありえない』を会場及び通販限定で発売する。いわゆる「活動を始めました」という挨拶盤とは捉えて欲しくない。この先が茨の道になろうとも、それでもなぜ「ふたたび歌の道を歩みだした」のか、南るみ自身の心の声や決意が、収録した5曲の中へ濃密に詰め込まれている。きっと彼女は、この作品を作り、その想いを伝えないことには、新たな一歩を踏み出せなかった。
 『そのうちなんてありえない』は、南るみ自身の「声を上げずにいれなかった、本音の意志」を吐き出した作品だ。とても生々しい。だからこそ心に痛いし、熱いし、嬉しいし、側へ寄り添いたい。以下へ、収録した5曲の解説をお届けしたい。
                                             
『軌跡の行方』

「1stミニアルバム『そのうちなんてありえない』。冒頭を飾ったのが、「この道を選んだことに意味を持たなきゃ」と宣言をした『軌跡の行方』になります。
『軌跡の行方』はSakuさんに曲を書いていただき、その後に自分で歌詞を書いたんですけど。楽曲を聴いた瞬間に、サビに書いた「ごめんね さよなら 僕が手離した」という言葉が想い浮かびました。『軌跡の行方』は、その言葉へ寄り添うように気持ちを膨らませた歌詞になります。
自分が手離しながらも失くしたというのは都合が良いなと思ったからこそ、「離したのに失くしたってゆう僕は卑怯だね」と書いたように、ストレートすぎるくらいの言葉を詰め込んでいます。それくらい素直な自分の気持ちを、一番赤裸々に書いた歌になったと感じています」

『今日の自分を愛してあげよう』

「2曲目には、「今を楽しみましょう」と宣言した『今日の自分を愛してあげよう』を収録。『今日の自分を愛してあげよう』は18歳のときに一度書き上げた曲でした。歌詞は、今の自分の気持ちに合わせだいぶ書き換えています。
私、いい風に言えば「感情豊か」、悪い風に言うなら「情緒不安定」(笑)。私のライブに来てくれる人たちに向け、たとえつらいことがあっても、今日の仕事が大変だったとしても、「今の自分を愛して欲しい」と言いたくて、『今日の自分を愛してあげよう』の歌詞を書きあげました。また、同時に「こうであればいいな」という自分の理想も書いています。というのも、私自身が「これで合ってるかな、間違ってるかな」と考え始めると、「今の私、すごく不幸だ」と思ってしまうこともあるからなんですね。だけど、そんなことを思っても意味がないから、こういう自分になりたい!という願望もこの曲に込めました」

『リンク』

「どの歌も今の自分と対峙している中、『リンク』は上京した頃の想いを書いた歌になりました。上京してから何年も経った今でも、春の匂いを感じるたびに上京した当時のことを思い出す自分がいます。
 私の場合、その季節の変わり目ごとに思い出す気持ちがかならずあります。春になるたびに「あのとき、こういう気持ちで東京に出てきたじゃん」って思い返すし、冬になるたびに「あー、しんどい。私は一体何をしてるんだろう」という気持ちへ陥ったり。楽曲はSakuさんが書いてくださったんですけど、私が10代の頃にピアノの弾き語りをやっていた頃に書いてた曲調と何となく似てたんですね。それもあって、昔の自分を思い返すように歌詞を書いたんだと思います。
本当はもっと明るい歌にしたかったんですけど、そこは性格なのか、気持ちがついエモーショナルなほうへいっちゃいます(笑)。「この涙流す意味がわからなくなったときだけ ぼくはあの街に帰ろう」と書いてますけど、自分の中では前向きな気持ちを記した歌です。収録したどの歌も、最終的には前を向いています」

『嘲笑返し』

「『嘲笑返し』は、かなりフラストレーションを爆発させたエモーショナルな歌になりました。「ストレス発散の曲を書きたいなぁ」という想いから、ロックなコード進行の曲をめっちゃ研究して音源を作りました。最初、歌詞にはもっとひどいことを書いてたんですけど、「それってただの悪口になっちゃう」と思い直し、「そういういろんなことがあったけど、もう負けない」という前向きな歌になりました。
きっと誰だって、「何、こいつは」みたいな気持ちになることってあると思います。だから『嘲笑返し』は誰もが経験する想いだとも私は思っています。この歌をCaramelのメンバーに聞かせたときには、「るみのあきれた「あー」と言ってる顔が想像出来る」と大爆笑でした。
こういう躍動的な曲調もライブでは必要だと思って書いたんですけど。今でも「こういう曲もやりたいし、こういう歌も歌いたい」と、本当に自分のやりたい音楽が何かはまだわかってない状態です。むしろ、「本当の自分って何だろうと捜したところでわかんないのなら、とにかく演りたいことを詰め込もう」と思って作ったのが今回の作品なんです。ここに収録した曲たちを通しても、「どれが一番自分に似合うか」なんてまだわからない。まわりの人たちから「これが好き」「これが”らしい”」と言われても、それは人の好みであって、きっと正解は一生出ないんだろうなと思います。だから私は、今後も幅広く、やりたい音楽をとにかく表現していこうという気持ちでやっていくのみです」

『価値』

「最後は、「勝ち負けのない世界で生きる意味は見出せるか?」と歌った『価値』になります。『価値』は思いつくままにピアノを弾きながら作った歌です。音源でもSakuさんが、私がピアノ弾き語りで作ったときの雰囲気を活かしたアレンジにしてくださいました。
『価値』は、「私は歌い続けるって表明しなきゃ」という想いを胸に、初ライブへ向けて書いた曲です。以前は、勝ち負けが何なのかわかっていないにも関わらず、「負けたくない」と口にしていたり、まわりから「負けんなよ」と言われ過ぎて、何と戦っているのかさえわからないままに、口では「負けたくない」と言ってたことも思い出しました。
今までは、「あそこのバンドには負けたくない」など、対バンしてゆく環境の中で勝ち負けを争わざるを得ないことがすごく多かったんですけど、今は「自分に負けてはいけない」という意味で「勝ち負けのない世界で生きる意味は見出せるか?」と歌っています。自分が「これをやる」と決めたときに、決めた自分に負けないようにとか、「自分でこれをやり遂げないと生きている意味は見出せない」など、私自身との勝ち負けという意味で捉えています」

minamirumi_main
南るみは、この作品を手に、これからは全国各地を舞台にライブ活動を行う。それも、少しでも直接想いを詰め込んだこの作品を手渡したいから。何より、目の前で歌に込めた自分の気持ちを伝えたいから。「今は1本1本に集中しながら、その1本1本をさらに大切にしていきたいなと思ってて、ライブの本数も少し絞っています。ただ、地方の方々も含め直接会わないと忘れられちゃう怖さもあるから、なるべく各地でライブを演りたい気持ちもあるんですけどね」と語るように、本人はなるべく多くの人たちと出逢いたい意志を持って活動を続けている。その気持ちを少しでも感じてくれたのなら、ぜひ彼女の歌声と直接触れ合って欲しい。そして何より、「これが今の私の心の声」という歌を受け止めてもらいたい。評価は、それからで構わない。今は彼女の「触れ合いたい」気持ちを大切にしたいなと思っているからこそ…。

TEXT:長澤智典

★オフィシャルサイト・SNS★

南るみWeb
http://minamirumi.com/
南るみtwitter
https://twitter.com/rumi_mame

★CD情報★

minamirumi1_jacket_web
南るみ 1st ミニアルバム『そのうちなんてありえない』
2017.09.30 会場限定にてリリース!
(2017.10.18 南るみオフィシャルショップにて通販開始!)
1.軌跡の行方 / 2.今日の自分を愛してあげよう / 3.リンク / 4.嘲笑返し / 5.価値
5曲入り / ¥1,500
[初回限定盤] 5曲入り(CD+DVD+ブックレット) / ¥3,000

★LIVE情報★

1st ミニアルバム レコ発ライブ開催決定!
『そのうちなんてありえない』
2017年9月30日(土)六本木morph tokyo
open 18:00 / start 18:30
adv. ¥3,000 / door ¥3,500 (+1drink \600)
w/ 初音, yucat

2017年10月9日(月・祝)『HUG ROCK FESTIVAL 2017 体育の日』
2017年10月13日(金)渋谷eggman
2017年10月16日(月)大阪 アメリカ村Clapper
2017年10月17日(火)名古屋 ell.SIZE
2017年10月19日(木)下北沢440
2017年10月29日(日)六本木morph tokyo
2017年10月31日(火)福岡Queblick
2017年11月1日(水)広島live juke
2017年12月4日(月)大阪 アメリカ村Clapper
2017年12月5日(火)名古屋 大須TOYS

★映像★

[MV] 価値 / 南るみ (short ver.)

About FDSM編集部 2492 Articles
FDSM編集部は、皆様のミュージックライフを豊かなものにすべく、良質な音楽情報を配信してまいります。