Scarlet Valseの誕生から数えて6年。でも今年の周年に関しては、生まれ変わったScarlet Valseがここから新たな進撃の狼煙を上げた始まりの日と捉えるべきだろう。
今年1月にRaizo/Shianと2人のメンバーを加え、Scarlet Valseは新たなスタートを切った。もちろん、過去を捨てたわけではない。むしろ現在の布陣ならより高みに行ければ、楽曲面でも大きな進化を遂げられる。そう確信を得たからこそ、彼らは今年からの活動に対して「新生Scarlet Valseとして」という言葉を用いだした。
この間、Scarlet Valseはシングル『Lunatic Mind』を制作。そこで飛躍のための確かな手応えを得たからこそ、彼らは周年となる9月22日を改めて「旅立ちの日」と位置づけた。しかもこの日、新生Scarlet Valseとして作りあげたミニアルバム『Reincarnation』の先行発売も実施。すべては、彼らがどんな風に転生したのかを、まずはScarlet Valseを熱烈に支持するファンたちへ伝えようとしてのこと。
そろそろ、9月22日にHOLIDAY SHINJUKUを舞台に行われた『Scarlet Valse単独公演「Remind of Secret Eden~新たなる大地~」』の模様を記そうか。
麗しくも荘厳な音色響かせるSE『Transmigration』が流れると同時に、この空間は一気に時空を超えた魔境の世界へ様変わった。聳え立つ王宮の宴の間には、騎士たちを絶叫で迎える人たちが多く押し寄せていた。高まる熱、その熱の先に5人の騎士たちが示したのは…。
みずからの転生を告げるよう場内に轟いた『Reincarnation』。なんて麗しく、凛々しく、気高く、何より感情をグッとわしづかみ揺さぶってゆく楽曲だ。激しさと美しさの交錯する音、我が身の転生を宣言するように雄々しく歌うKakeru。その歌声と演奏は広げた真白く大きな翼となり、触れた人たちを抱え込み熱狂の宴の中へ連れ出した。生まれ変わったその翼がはためくたび、そこへは新しい道が生まれてゆく。彼らは『Reincarnation』を通し、そう伝えてきた。
剥きだした牙を突き刺すようScarlet Valseは『Nocturne』に乗せ、猛る演奏を突き付けた。狂と喜を抱いた音に触発され暴れる観客たち。今宵の宴は、まさしく戦いという様が似合いそうだ。
激しく大きく揺れる頭・頭・頭。新生Scarlet Valseの始まりを告げた『Lunatic Mind』を合図に狂乱の様は、さらにヒートアップ。サビに描いた美しく耽美なメロディへ心は魅了されながらも、攻撃的な音の応酬に身体は理性を壊さずにいれなかった。
荘厳華美な調べの幕開け、ヒステリックなリフが脳髄を掻き乱してゆく。刹那でメロウな表情を抱いた『Schwert~subliminal pain~』。その演奏には、逃れたくない心地好い痛みが充満していた。
撮影OKナンバー『Misty Night』が始まったとたん、熱狂する観客たちと、その様をケータイで撮影する人たちとに場内の風景は二分された。その様子は、様々なSNS上に残っているだろうか、ぜひネットで検索を入れ、絶叫飛び交った熱狂の姿を確認していただきたい。
重厚な音を背負い爆走するブラストビート。その演奏の上では、麗美な調べの数々が大きく羽根を広げ舞い踊っていた。美しさも忍ばせ、気高き想いを歌いあげるKakeru。激しい交響曲をバンドの姿を通し体感している感覚を与えた『Neo Sanctuary』。畳みかけるようにぶつけた『Voyage in Chronos』では、左右に跳ねる観客たちの作る振動で床が軋みを上げていた。熱狂は止まらない、むしろ火照る身体へ、彼らは覚めない刺激を次々と注入し続けてゆく。
「我々の物語を一緒に始めようぜ」、Kakeruの声を合図に会場中を包んだ、熱狂と幻想の宴、凛々しき気高さと歓喜な演奏を胸に心泣き揺(濡)らすドラマを告げた『Story』。
「我々Scarlet Valseは不死鳥のようにどんなに汚れようと生まれ変わり続けてゆく」、最新ミニアルバムの中でもメンバー内でひと際支持の高い『Phoenix』こそ、Scarlet Valseが軸にしているシンフォニック/ラウド/刹那/メロウな魅力へ歓喜と興奮の刺激を塗して構築した楽曲。触れた人たちを恍惚へ導くその歌は、これからもScarlet Valseのライブに於いて人の心を魅了する楽曲として語り継がれるに違いない。
ここまでは、最新ミニアルバム『Reincarnation』を中心に構成。新生Scarlet Valseの魅力を止むことなく叩きつけてきた。ここからは、これまでのScarlet Valseが持ち味にしていた曲たちを、新生Scarlet Valseがどう転生させたかを味わえるブロックへ。
「親愛なる君たちへこの曲を贈ります」。汚れなき気高い旋律が場内へ広がり出した。メロウで耽美な、胸に閉まっていた愛しき想いを音に変え告白するよう心へ響かせたのが、壮麗なバラードの『Dear』。サビではKakeruに導かれ、舞台へ想いを届けるように歌う人の姿も。温かい気持ちのやり取りに強い絆を感じた人たちも多かったに違いない。
荒ぶる雷神の如き重轟音なドラムプレイを通し、聴覚を一瞬奪うほど会場中の人たちの鼓膜を震えさせたYo-heyのドラムソロ。一転、心に滴を落とすピアノの旋律の上で、仲間たちと途切れない関係を約束するようにKakeruがソロで歌った『Promise』。
宴は、ここから二つ目の熱狂の晩餐を並べ出した。SE『Dawn of the Circus』が荘厳に、勇壮に響き始めた。ふたたびメンバーたちが舞台上へ姿を現した。そして…。
理性という箍を一気にぶち壊し、観客たちが激しく頭を揺さぶる。『The Name of Valse』が連れ出したのは、狂気と狂乱が彩る宴の場。Kakeruの煽りに刺激を受け、激しく身体を折り畳む観客たち。サビに描き出した高揚のメロディに心震えながらも、胸へ突き刺した衝撃に理性を壊さずにいれなかった。
「揺らせ!!」「飛べ!!!」、感情を触発してゆくKakeruの煽り声。荘厳かつ重厚で猛々しい『娼年-Prostitution Actor-』が、もっともっと理性を失くしてしまえとけしかけてきた。狂ったように頭と拳を振り翳し野獣と化す観客たち。『揚羽蝶乃夢』が、会場にいる美しい蝶たちを本性を剥き出した蛾に変えてゆく。Scarlet Valseが舞台上から撒き散らす音の鱗粉に塗されたが最後、本性を晒し、その演奏へ立ち向かわずにいれなくなる。飾りを外し、心を裸に抱き合いたくなってゆく。
ファンキーなブラスの音色が場内へ鳴り響く。Scarlet Valseが高らかに打ち鳴らしたファンファーレは『Shadow’s Game』に姿を変え、観客たちを熱狂のダンスパーティへ導いた。身体を横揺れさせながら、時にその身をくるくる回し、誰もが妖しい宴の中へ溺れていた。終盤には逆ダイ描く光景も登場。野生の心になった美しきモンスターたちがぶつかりあう光景は、なんて壮観だったことか。
ゴシック/ダーク/刹那/美メロウな要素を激しく磨り潰した、黒い衝動抱いた歌系ナンバーの『MASK』。心に大きな翼を広げ、ふたたび輝く空(未来?)へ飛び立とうと呼びかけた『Everlasting Life』。感情の内側から沸き上がる高揚は、何時しか背中に二つの翼を授け、彼らと共に夢へ向かい羽ばたいていた。振り上げた二つの腕には、確かに風を感じる羽根が生えていた。
幻惑の宴へ導く重厚なマーチングの音。その演奏は、一気に畳みかける漆黒の轟音に塗り変わっていた。何も考える必要はない。舞台上からあふれ出る『Darkness Circus』を身体中に浴びながら、感じるままにはしゃげばいい。右へ左へ駆けながら、Scarlet Valseが魅せたスリリングな演目へ共に参加し、ヤバい刺激を思う存分味わい続ければいい。
狂気に支配された儀式はクライマックスへ。本編最後を飾った『Virginal Blood』へ、全身全霊を傾け戦いを挑む観客たち。その気迫を喰らい、さらに大きな興奮の波動に変え客席へぶつけてゆくメンバーたち。延々と続く逆ダイの応酬。そこへは野生と野生が、獣と獣が、興奮と恍惚を極限まで高め混じり合う本性の結合が生まれていた。
熱を求める人たちの気持ちを、あえて大きく包み込むように歌いかけた『GARDEN~Clair de lune~』。アンコールの声を受けScarlet Valseは、新たな物語を、冷めぬ熱狂が沈殿したこの空間へ染み込ませだした。場内に無数に咲き誇った、大きな両手を広げた花たち。「これからまたさらに君たちと一緒に」。火照った感情を熱を持った両腕でギュッと抱きしめるように響いた、美しくメロウな『La neige』。フロアー中の人たちが両隣の人と手を繋ぎ、優しい子守歌のような『La neige』に優しく身を預けていた。
突き上がる無数の拳。「その気持ちをぶつけなさい」、Kakeruの煽動とスリリングな演奏に、突き上げた拳も感情も誰も降ろしたくはなかった。いや、降ろせるわけがない。『Rose Cruel Scar』へ導かれるままに心ひれ伏したい。猛進する野獣となって逆ダイし続けたい。勇むこの感情、しっかり舞台上で受け止めてくれよな。
「今日は、ここが世界の中心です」(You)。火のついた感情を、互いにとことんまで燃え尽くそうと、ふたたびメンバーは舞台へ姿を現した。二度目のアンコールは、眩い光を全身へ降り注ぐように『Angelic Sky』からスタート。心に輝きを与える歌と演奏に触発された揚羽蝶(ファン)たちは、その翼を羽ばたかせ、無邪気な笑顔で飛び跳ね続けていた。
「限界を超えて、存在理由を証明しよう」、やはりScarlet Valseには黒い熱狂がお似合いだ。激しく轟く『Raison d’etre』へ嬉しく身を預け熱に溺れてゆく観客たち。騒ぐ人たちの興奮が生み出した軋む床の振動が、この日の熱狂の証拠だ。
「すべてを置いて、一緒に観に行こう」、最後の最後にScarlet Valseが突き付けたのが『Secret Eden』。歓喜した高揚が身体中を突き上げてゆく。激しく唸るロックな交響曲と魂に歓喜を沸き上がらせる歌に、嬉しい震えが止まらない。今宵も彼らに音楽でイカ(生か)されてしまったようだ。
「6年間Scarlet Valseをやってこれたのはみんなおかげです。いろんなことがあってね、去年はマジでScarlet Valseを終わらせようと思ったんだよね。だけどYo-heyが入って、RaizoとShianが入ってすごく勢いをもらったんです。夢半ばにして解散や引退をしてゆく仲間たちの姿をいろいろ見てきた中、彼らの想いを受け止めるたびにやるしかないじゃんとなって、それで今があります。Scarlet Valseはみんなのものだと思っています。また一つずつ階段を登って、また素敵な景色を観たいなと思います。もっともっといい景色を観たいし、観せたいです」(Kakeru)。
この日、Kakeruが衣装へ身につけた黒い片翼。もう一つの黒い翼は、この日のライブを通し間違いなくKakeruの身に、Scarlet Valseの片翼として備わった。
Scarlet Valseは、来年3月に東名阪を舞台にした次のワンマンツアーを発表した。何故、この時期に単独公演を行うのか、彼らは深い意味を持ってそれを決めた。その理由を、今度はあなた自身で想像を巡らせ探っていただきたい。
TEXT:長澤智典
★オフィシャルサイト・SNS★
Scarlet Valse Web
http://scarletvalse.com/
Scarlet Valse twitter
https://twitter.com/scarletvalse
Starwave Records Web
http://www.starwaverecords.jp
★CD情報★
Scarlet Valse Mini Album『Reincarnation』
2017年9月27日発売
新体制Scarlet Valse第二弾作品発売決定!
「生」と「死」の狭間から生まれ変わり、新たなる翼を広げ羽ばたく!
型番:SWSV-007
発売元:Starwave Records
販売元:FWD Inc.
価格:2,700円(税込)
仕様:CD
限定:完全限定500枚
CD 収録曲:
1. Transmigration
2. Reincarnation
3. Schwert~Subliminal pain~
4. Neo Sanctuary
5. Virginal Blood
6. Phoenix
7. Everlasting Life
ご購入方法:
オンラインショップでのご購入
http://dlonline.ocnk.net/
全国のCDショップでのお取り寄せ
CDショップでのお取り寄せ
全国のCDショップにて取り寄せが可能です。取り寄せをされる時にはお店のほうに「流通 FWD Inc.」「アーティスト名 Scarlet Valse」「タイトル名 Reincarnation」「型番 SWSV-007」をお伝え下さい。
INFORMATION:
CDに関する問い合わせ先 E-MAIL: info@starwaverecords.jp
★LIVE・インストア情報★
Scarlet Valse東名阪ワンマンツアー
「Remind of Secret Eden ~美しき深紅の舞踏会~」
2018年3月5日(月)心斎橋JUZA
2018年3月6日(火)栄RAD
2018年3月27日(火)渋谷clubasia
※詳細は後日発表
2017.09.24 (Sun) ブランドエックス
2017.09.24 (Sun) 池袋BlackHole
2017.09.29 (Fri) HOLIDAY SHINJUKU
2017.10.03 (Tue) 13:00~ SKULL ROSE福岡店
2017.10.03 (Tue) 福岡DRUM Be-1
2017.10.05 (Thu) 11:00~ ライカエジソン大阪店
2017.10.05 (Thu) 心斎橋Bigtwin Diner SHOVEL
2017.10.06 (Fri) 12:00~ ライカエジソン名古屋店
2017.10.06 (Fri) HOLIDAY NEXT NAGOYA
2017.10.11 (Wed) 13:00~ 新潟ロクスタ
2017.10.11 (Wed) 新潟CLUB RIVERST
2017.10.12 (Thu) 15:00~ littleHEARTS.仙台店
2017.10.12 (Wed) 仙台Space Zero
2017.10.16 (Mon) 池袋RUIDO K3
2017.10.24 (Tue) HOLIDAY SHINJUKU
2017.11.17 (Fri) 目黒ライブステーション
★映像★
●Scarlet Valse [Reincarnation] MV FULL
●Mini Album「Reincarnation」クロスフェード
-SET LIST-
SE(『Transmigration』)
『Reincarnation』
『Nocturne』
『Lunatic Mind』
『Schwert~subliminal pain~』
『Misty Night』
『Neo Sanctuary』
『Voyage in Chronos』
『Story』
『Phoenix』
SMC
『Dear』
Drum Solo
『Promise』(Vocal Solo)
SE(『Dawn of the Circus』)
『The Name of Valse』
『娼年-Prostitution Actor-』
『揚羽蝶乃夢』
『Shadow’s Game』
『MASK』
『Everlasting Life』
『Darkness Circus』
『Virginal Blood』
En1
『GARDEN~Clair de lune~』
『La neige』
『Rose Cruel Scar』
En2
『Angelic Sky』
『Raison d’etre』
『Secret Eden』