Risky Melodyのリーダーであり、役者/モデルとしても活動中の日野アリスが主催。バンド/ソロ/アイドルという垣根を超え、次世代を担う女性アーティストたちの活躍の場として作り上げたイベントが「Hotty & Rhythm」。
これまでは東京を舞台に開催してきたが、8月6日(日)に行った第3回目となる「Hotty & Rhythm Vol.3 in NAGOYA」は、名古屋で実施。
しかも、名古屋・八事SOUND NOTE/八事Fairy-tales Nagoyaの2会場で同時に行った。
同じビルの1階と3階にあるライブハウスという地の利を活かし、タイムテーブルも移動しやすいよう交互に組み込み、すべての出演者たちを味わえるようにしていたのも特徴だ。
日野アリスは、このイベントについて以下のよう説明してくれた。
「Hotty & Rhythmも3回目。今回は名古屋で2会場サーキットということでFluo Light Archさん協賛のもと、開催させていただきました!私達も今まで色んなイベント、サーキット、出演させていただきましたが、自分たちが出たいと思うようなイベントをイメージして作りました。お客さんはもちろん、出演者も、スタッフも、みんなが楽しいと思える気持ちがどんどん高まり繋がっていくライブイベント。今回も、いろんな場所から集まってくださったジャンルも様々なアーティストさんたち。それが一つになるってすごい素敵なことだし、すごいパワーになると思う。最初から最後まで、ワクワクして笑顔が溢れるイベント。それを目指していきたい。」(日野アリス)
この日の「Hotty & Rhythm」へ参加したのは、AZURE♯/究極人形/EITA(Acoustic Ver.)/縁∞gage/Quince/Goofy Amanda/色彩69☆/Zestria/ナト☆カン/No.528/BIЯTH/HONEYBEE/FUN RUMOR STORY/FullMooN/MIAKA/Mr.Daisy/ミライSpeaker/RagDöllz/Risky Melody/若林倫香の全20組。こちらでは、八事SOUND NOTEで行われたライブの模様をお届けしよう。
★名古屋・八事SOUND NOTE篇
Goofy Amanda
トップを飾ったGoofy Amandaは、エッジの効いたギターサウンドを振りかざし観客たちへせまっていた。攻めの姿勢を見せる演奏、歌はまだまだ未完成ながら親しみやすさを覚えさせたのも特徴だ。バンドは7月に始動したばかり。粗削りな面はいやめないが、巧みにダンスビートを用いたりと懐深さを投影。荒々しさやへたうまさをそのままヒステリックなギターロックサウンドとして反映しているところが、今のGoofy Amandaの魅力になっている。
縁∞gage
キュートでガーリーでー明るくパンキッシュ。何より、気持ちをガンガンにアゲてゆくアッパーなロックチューンに触れていると、笑顔で拳を振り上げ「オーオー」叫びたくなるのも納得だ。人と人を楽しい熱狂で縁∞gageは繋いでゆく。 舞台上から解き放つ楽曲のどれもが、観客たち参加型なスタイル。メンバーと一緒に「Candy Crush」と叫べば、ハードなシャッフルナンバーや沸き上がる熱い感情のままに届けた歌を通し、縁∞gageは観客たちの身体を終始揺らし続けていた。
EITA(Acoustic Ver.)
時にバックトラックも流してとはいえ、この日のEITAは弾き語りというアコースティックなスタイルで登場。あえてシンプルな編成のもと、ドラマチックな楽曲の骨組みとなる姿を浮き彫りにするよう彼女は歌いかけてきた。普段は時空海賊SEVEN SEAS/ソロのギタリストとして活動しているように、アコギも、EITAの歌声を聞けるのも、じつはレアー。言われなければ弾き語りのシンガーと言っても通用する演奏と若干ピッチの緩い歌声を通し、彼女は堂々と、抑揚を持った歌の数々を届けてくれた。中で披露したTAKAEITA時代のバラードは、込み上げる想いさえ抱かせてくれた。
FullMooN
月に変わってしばき倒すFullMooNらしく、彼女たちは冒頭からハイパーなラブビームをフロアー中へ振りまき、観客たちを右へ左へモッシュさせた。とてもキャッチーでキュートな歌に、身体が敏感に反応しだすノリ良いロックな演奏。でも、ベーシックにはメタルな要素を備えているからだろう、感情を熱く掻き立てる激しさも感じずにいれなかった。ライブ中、何時しか身体を大きく折り畳みFullMooNの作り出す音世界へ熱狂。演奏中に生まれた巨大なサークルモッシュ、これも、卓越したテクニックに裏打ちされ作りあげた光景だ。可愛い笑顔を振りまきながら、観客たちをガンガンしばいてゆくFullMooNのメンバーたち。そのドSな様に、つい熱狂でひれ伏したくなる。この日、サポートギタリストをEITAが弾いていたこともお伝えしておこう。
BIЯTH
たとえその歌声が未完成でも、人をグッと惹きつける魅力があれば、その未来に期待したくなる。ドラマチックな展開を描く中、激しく掻き鳴らされる演奏の上で朗々と歌いあげるその声は、確かに翼を持っていた。躍動や激しさに負けない、力強く凛々しく主張してゆく歌声が、脳内へ無数の足跡を残すように駆け回っていた。卓越した演奏陣が支えるからこそ、粗削りだけど自分を持ったRickaの歌声を心から離したくはなかった。EDMの要素も巧みに駆使したBIЯTHのサウンドは、コアでハードエッジだ。その激しさへ激しさで寄り添うのではなく、凛々しさで歩調を合わせてゆくからこそ、BIЯTHのライブへ…Rickaの歌声へ強く惹かれ続けていたのに違いない。
MIAKA
ソロシンガーのMIAKAが届けたのは力強く凛々しさを持ちながらも、彼女流の爽やかなフレイバーをたっぷりとまぶした音楽スタイル。MIAKAの歌声自体が、とても清涼感にあふている。だからこそ楽曲へ重厚さや圧を加えても、ノーギミックな歌声がストレートに胸へ飛び込んできた。それが、とても心地好かった。バラードでは、悲哀な想いを今にも消えそうな声で描写。爆裂したEDMナンバーを通しても、MIAKAは芯を持った真っ直ぐな歌声を全力でぶつけ、観客たちの感情を熱く滾らせていった。
RagDöllz
凄まじいスクリームヴォイスが場内へ響き渡る。超重量級のミッド&ラウドな音が地を這うようにせまりくる。黒い轟音の絨毯にくるくると巻きこまれたが最後、我々はRagDöllzの作り出すダークでヘヴィでドゥームな世界観へ頭を振りながらひれ伏すのみ。絶叫と美麗な歌声が交錯、荒れ狂い渦巻く音の塊が、どんどん理性を黒く塗りつぶしてゆく。「本気でかかってこい!」と叫び、フロアー中の人たちの理性を破壊し続けてゆくRagDöllzのメンバーたち。何時しか場内では観客たちがグチャグチャに揉み合い、頭を空っぽに熱狂へ興じていた。なんなんだこの破壊力は、このサタニックな魔力は…。RagDöllzのライブは、強烈な台風のような漆黒の衝撃をフロアー中に与え、観客たちの心を野獣に変えていった。
No.528
「一つになっていけますか」の言葉を合図にNo.528のライブはスタート。楽曲は歌系ポップスタイル。でも、演奏面、とくにドラムビートが強烈なこともあり、耳心地好いポップスへ終始することなく、感情を熱く掻き立てるライブ感あふれる演奏へ昇華。ビートに合わせ飛び跳ねたりタオルを突き上げ騒いでゆく人たちが大勢いれば、「オーオーオー」の大合唱が起きた歌も登場。No.528の楽曲はビートが強烈だ。ダンスロックナンバーに合わせ、会場中の人たちが手拍子やステッブを踏み、踊りに興じるのも納得だ。親しみやすい歌に、身体を揺さぶるダンサブルな演奏。騒げという条件が揃っているからこそ、掲げた手が天高く上がり続けていたのも当然だろう。
若林倫香
その歌声に、彼女が言葉にする歌詞の一つ一つにとても温もりを覚えていた。その歌詞は、みずからの心を投影しているから?!。何故、その曲を歌うのか?!。その理由を若林倫香はわかっている。だから、彼女の歌は若林倫香自身のリアルな心の声として響いてきた。別に、聞き手に共感を求める必要はない。自分が、その歌のような自分でいるし、いたい。それを本気で届けてゆくから、触れた人たちもその歌へ共鳴し、一緒に心をときめかせてゆく。たとえそれがどんな楽曲だろうと、その歌を自分に重ねあわせ歌う若林倫香の歌声や姿を、誰もが微笑ましく見つめていた。
Risky Melody
イベントの大トリを飾ったのは、「Hotty & Rhythm」のホストバンド、Risky Melody。名古屋でも精力的にライブ活動を実施。今回のイベントのため、ヴォーカルのALICEとドラムのRieが数日前から名古屋入り。路上ライブなどのプロモーション活動も行いながら、この日のために注力を注いできた。その成果を示すように、場内は後ろまで観客たちが押し寄せていた。
ライブは、Maiの煽り声を合図に、彼女たちのテーマ曲『Risky Melody』から幕を開けた。勇壮なMAYUのギターのリフが場内へ響くと同時に突き上がった無数の拳。何時しか観客たちはスクラムを組み、舞台上の彼女たちへ気迫をぶつけていた。ステージ上も客席も昂る気持ちをぶつけあい、最後の最後まで熱狂を絶やしてなるかと魂を燃やしてゆく。
「この空間をここにいる全員で最高のものにしたいと思います」。眩しい光をその手でガシッとつかみ取るように、気持ちが熱く沸き立つよう『閃光よりも眩しいヒカリ』が飛び出した。会場の人たちが輝き放ち弾む演奏へ飛び乗り、空へと手を突き上げ一緒に跳ね続けてゆく。そうすることで、声枯れるまで絶叫を上げることで、共に光をつかめると本気で信じていた。
『GAMUSHARA Enjoy Summer!』が連れてきたのは、猛暑以上に熱い熱風だ。くるくると頭上高くまわる無数のタオル。余計な意識も理性もすべて脱ぎ捨て、頭を空っぽに、魂が呼び起こすまま叫べばいい。今にも天井へ手が届きそうな勢いでジャンプし続ける観客たち。その勢いへ拍車をかけるよう、客席へ飛び込まんばかりの勢いでALICEが前のめりな姿のもと熱気を会場中に攪拌させていた。
雄々しく、獲物へ挑みかかる姿勢を持って、Risky Melodyは『OUT THE JOKER』をぶつけてきた。とてもワイルドな演奏だ。牙を剥いて襲いかかる勢いに負けじと、観客たちもほとばしる汗さえ拭うことなく熱狂の雄叫びを上げ続けていた。場内はむせ返る熱気と汗と体臭により、巨大な檻の中へ野獣と一緒にいるような状態だ。
熱を抱きながらも、夏の夕暮れの日射しへセンチメンタルな気持ちを覚えるように流れたのが、『Our time is come』。ミドルメロウな歌、演奏もミドルとはいえ、そのリズムは確かに躍動していた。そこはRisky Melodyだもの、つねに挑む姿勢を崩さない。何処か刹那を感じさせるALICEの歌声が、胸にジンッと染み渡っていた。
「みんなが笑顔で帰れる楽しいイベントになったかな」「みんなの気持ちをここに集めたいんだ」。最後は、ここにいる一人一人の心の手と手をギュッと握りしめるように、最新シングル曲『ALL AS ONE』を演奏。躍動するビートに合わせ会場中の人たちが「オーオーオー」と絶叫にも似た声を上げてゆく。その演奏に触発され、誰もが込み上げる興奮を抑えきれずにいた。会場中へこだました「ALL AS ONE」の大きな大きな魂の塊。一つになれる、何もかも脱ぎ捨て裸な心で一緒に叫びあえる。互いの叫びを抱きしめあえたとき、くしゃくしゃな笑顔になれていた。そう、楽しかった。それがすべて。生きる楽しさを強く実感できるって、日常の中なかなか感じれないこと。それを感じれたことが、最高じゃない。
止まぬ声に呼ばれアンコールで披露した、大切な場所や人を想い届ける歌『ペチュニアの咲く丘』まで、イベントの最後を飾るに相応しいライブをRisky Melodyは見せてくれた。
次回の「Hotty & Rhythm」は、8月20日(日)のTSUTAYA O-WESTを舞台に「Hotty & Rhythm vol.4 Special Summer」と題して開催。出演は、Risky Melody/Chewing High!!/CANDY GO! GO!/みならいモンスター/眠らない兎/MAZIC STAR/HONEYBEE/969/AIBECK/チャオ ベッラ チンクエッティ/未解少女(O.A)。8月26日には日立 PAERY×PARTYで。27日には宇都宮 BIG APPLEで「Hotty & Rhythm」が行われる。こちらも楽しみにしていてくれ。
TEXT:長澤智典
★オフィシャルサイト★
Hotty & Rhythm Web
http://www.hotty-rhythm.com/
★ライブ情報★
「Hotty & Rhythm vol.4 Special Summer」
Surpported by ODYSSEY
8/20(日)渋谷TSUTAYA O-WEST
OPEN/START 11:30/12:00
ADV/DOOR ¥3,500/¥4,000(+1D)
【出演】Risky Melody/Chewing High!!/CANDY GO! GO!/みならいモンスター/眠らない兎/MAZIC STAR
HONEYBEE/969/AIBECK/チャオ ベッラ チンクエッティ/未解少女(O.A)
「Hotty & Rhythm vol.5 in IBARAKI 北関東2DAYS!」
8/26(土)茨城日立PARTY×PARTY
OPEN/START 15:30/16:00(仮)
ADV/DOOR ¥2,500/¥3,000
【出演】Risky Melody、HONEYBEE、深月るな、Goofy Amanda、MISSIW、Shallm♡Cat、けみゅ(Mike☆miKe)&兎月ひめ乃 他
「Hotty & Rhythm vol.6 in TOCHIGI 北関東2DAYS!」
8/27(日)栃木宇都宮BIG APPLE
OPEN/START 15:30/16:00(仮)
ADV/DOOR ¥2,500/¥3,000
【出演】Risky Melody、HONEYBEE、深月るな、Lovin&S、ViviD★RinG、MISSIW、FullMooN 他
★出演者情報★
Goofy Amanda
https://twitter.com/goofy_amanda
縁∞gage
https://en-gage.jimdo.com/
EITA
http://eita-web.com/
FullMooN
http://tatenaga.net/
BIЯTH
https://birth-official.jimdo.com/
MIAKA
http://miaka08.web.fc2.com/
RagDöllz
http://artist.aremond.net/ragdollz/
No.528
https://no528hz.amebaownd.com/
若林倫香
https://twitter.com/tomoka_w
Risky Melody
https://risky-melody.com/