4月19日(水)に、前作から1年2ヶ月ぶり通算5枚目となるシングル『ROCKET HEART』を発売する声優の新田恵海。今回は「優しく背中を押す」よりも背中で語ると言いますか、「私はもっともっと前へ進んでいくよ、だからみんなも付いてきて」とみんなの手を引っ張ってゆく内容にしています」(新田恵海)と語るように、本作には、今の新田恵海自身の一番素直で真っ直ぐな気持ちが、3つの表情(楽曲)を持って詰め込まれている。
今回、彼女が収録したそれぞれの楽曲に込めた想いを語ってくれた。その言葉を、ここにお届けしよう。
『ROCKET HEART』
この1年間、とくに昨年はいろんなところでライブを行う機会をいただけました。パシフィコ横浜や神戸国際ホールでのワンマンコンサートもありましたし、海外でのイベントなどでも歌わせていただきました。そうやってファンのみなさんと一緒に作ってきた絆や、みなさんからいただいたパワーを何かの形にしたくて。何より「元気になってもらえるような曲、前向きな気持ちになってもらえる歌を作りたい」という想いを胸に、今回のシングル盤の制作がスタートしました。
作曲を担当した菊田大介(Elements Garden)さんや作詞を担当してくださった畑 亜貴さんへ「応援してくれるみんなとのアンセムのような曲にしたいです」「一緒に歌える箇所が欲しい」「未来へ進む力を乗せた歌にしたい」と伝えたところ、ファンのみんなと歌える楽曲に仕上げてくださいました。私も、歌の中で「おいで おいで」とみんなに呼びかけています。
私自身が「がんばる人を応援する」というテーマを大切にしていることもあり、明るく前向きな歌は自分の持ち味の一つになっています。ただ、今回は「優しく背中を押す」よりも背中で語ると言いますか、「私はもっともっと前へ進んでいくよ、だからみんなも付いてきて」とみんなの手を引っ張ってゆくような楽曲になっています。私の場合、感謝の想いを「エネルギーに変えて届けてこそ、私らしい気持ちの返し方」と思ったことから、「明るくて楽しくてしょうがない、そんな曲で、私の想いを伝えたいです」と、制作するうえでお願いをしました。それが、『ROCKET HEART』という私の想いのエネルギーがいっぱい充填された歌になりました。
私、歌詞の内容はもちろん、『ROCKET HEART』というタイトルもすごく好きなんです。ロケットは大気圏を突破して宇宙にまで飛んでいくように、もの凄くエネルギーを積んでいる物体じゃないですか。『ROCKET HEART』も、エネルギーを持って勢い良く前へ飛び出していく、とても心の推進力を持った歌なんです。中でも、サビ頭の「おいで おいで!」の言葉には、私の中にある「みんなと楽しいことがしたい」という想いが詰め込まれていると思います。
『ROCKET HEART』の楽曲全体にはたくさんのエネルギーを積んでいるんですけど、歌詞では「スリーツーワン!」でカウントダウンが止まっているように、ゼロの瞬間をこの歌ではまだ迎えてないんですね。ここから、どこへどう飛び立ってゆくのかは、私と応援してくださるみなさんと一緒にこれから作っていきたいと思っています。私がいろんな経験を通して見たり感じてきた想いや景色が一つの形として積み込まれたもの、それが『ROCKET HEART』なんだと思います。
『ROCKET HEART』(MV)
今回、初めて”えみつんバンド”のみんなと一緒にMV撮影をしました。実際のライブでは、2015年11月にTOKYO DOME CITY HALLで行った「EMUSIC~始まりの場所~」と、2016年にパシフィコ横浜と神戸国際ホールで行った「EMUSIC~つなぐメロディー~」では、スケジュールの都合からベーシストの方が異なったんですけど。二人ともかけがえのない仲間。その想いをMVの監督さんへ伝えたところ「メンバーを全員呼ぼう」と言ってくだされば、みんなも『ROCKET HEART』のMV撮影のために集まってくれました。
『ROCKET HEART』のMVでは実際に演奏をしているわけではないですけど、ライブと同じように明るく弾けた空気を出せているのは、これまで一緒に同じ景色を見て、同じ思いを感じてきた仲間だからこそなんだと思います。
『Shine』
先にパシフィコ横浜公演で披露しようと『暁』を書き上げました。その1カ月半後に行う神戸国際ホール公演のときにも『暁』を歌ったんですが、「もう1曲、新曲を書いてきました」と言って演奏したのが『Shine』でした。『暁』も『Shine』も、えみつんバンドのメンバーと一緒に作った楽曲です。メンバーに大枠のイメージでオケを作ってもらい、そこへ私が自由にメロディーと歌詞を乗せて完成しました。『Shine』は、思い立ったが吉日!というか、「やろう」と思った瞬間のエネルギーをぶつけた楽曲になりました。
『Shine』の歌詞で一番のキーワードになっているのが「ひとりの夢が誰かの夢へと…」の部分なんです。最初は私一人だけの夢だったのが、今は応援してくれるみんなも一緒に同じ夢を見てくれているように感じます。夢って、そうやって大きく成長していくものなんですね。
『Shine』も力強く前向きな歌ではありますが、その表情の裏には、いろんな苦難を乗り越えたからこそという面も描いています。収録したどの曲も、底抜けに明るいわけじゃないからこそポジティブに歌っていけるんだと思います。私の歌の歌詞って、どれもネガティブな感情を記しながらも結果ポジティブに。光に向かおうとしてます。陽の光や輝くことなど、いろんな光へ想いを重ね合わせることが多いように、きっとそれが私の求めるものなんでしょうね。影となる場へ身を置くたびに私は光の方向へ導かれるというか、そこを目指さずにいられない、夢を見ずにはいれないんです。
『暁(2017 rearrenge ver.)』
『暁(2017 rearrenge ver.)』(以下、『暁』)は、収録した3曲の中でも、実際の私に一番近い歌です。「暁」とは夜明け前のこと。この時間帯に一人で考え事をしていると、すごく不安になっていくんですよね。当たり前のように明日は来るんですけど、「この不安は、夜が明けることなくずっと続くんじゃないか」と思うことって、誰にもあるんじゃないかと思います。この『暁』は、「自分が新しい明日をどうやって歩いていこうか」と考え込んでいたときに生まれた歌。
以前の私は、「明日は来るけど、今の自分はどうして良いのかわからない」「毎晩どうしてこんなに不安に駆られるんだろう」「夜が明ければ気持ちも明るくなるけど、でも、夜になるとまた同じ気持ちを繰り返してしまう」「こういう気持ちを繰り返してゆく日々なのかなぁ」など、「自分は何になりたいのか!?」「自分は何をしたいのか!?」がわからずにいました。でも今回『暁』という曲を書いたのも、自分の中で「明日が来る意味」が変わったからだと思います。
新しい日を迎えるというのは、新しい自分になるということでもあると思います。大きな変化はないかもしれないけど、昨日までの経験を積み重ねた、新しい自分。そう思えるようになったからこそ、前向きな気持ちで夜明けを迎えられるようになったんだと思います。
『暁』はパシフィコ横浜公演で演奏するために書き下ろした楽曲なんですけど。そのときに演奏した形から、今回は弦を使ったバラードアレンジにしています。
この『暁(2017 rearrenge ver.)』は、ぜひヘッドホンをしながらじっくり聴いてほしいですね。そして、歌詞に込めた想いをいろいろ深読みしてもらえたら嬉しいです。
LIVE BD版と聞き比べてもらうと、また違った『暁』が見えると思います。
収録した3曲に詰め込んだ想いは、どれもしっかりと未来を向いている。むしろ、それが今の新田恵海の気持ち。彼女がここから、どんな風に仲間たちと一緒に未来へ飛び出していくのか、それを楽しみしていようじゃないか。カウントダウンは、『ROCKET HEART』を通して、ワンまで進んでいる。最後のゼロの言葉を彼女と一緒に叫びながら、明日に想いを馳せようじゃないか。
TEXT:長澤智典
★CD情報★
2017年4月19日Release
新田恵海
『ROCKET HEART』
新田恵海1年ぶりの最新シングルは、新たな“EMUSIC”への、アンセム・チューン!
[通常盤]
EMTN-10014
定価1,300円(tax out)
[生産限定盤]
EMTN-10015
価格1,900円(tax out)
◆収録内容
[CD]
1.ROCKET HEART
2.Shine
3.暁(2017 rearrange ver.)
4.ROCKET HEART -Instrumental-
[DVD](生産限定盤のみ)
ROCKET HEART Music Clip
★解説★
ライブを重ね、アーティストとしても成長を続ける新田恵海。
作詞:畑 亜貴、作曲:菊田大介(Elements Garden)の最新シングル「ROCKET HEART」は、未来へのパワーを託したアンセム・チューン。
カップリングには、2016年のライブのためにemitsun BANDのメンバーと書き下ろした2曲、「Shine」と「暁(2017 rearrange ver.)」を新録!
カップリング2曲を含む、全3曲収録シングル。
Sound produced by Elements Garden