赤いサイリウムが雨の夜空の華と咲く。邦楽ロックバンドAKARAの2ndワンマンライブ【The Storm~華の嵐の残月に~】は大盛況! 3rdワンマンに向けてAKARAは疾走し続ける!!

2016年10月28日(金)の夜。雨女の異名をとるボーカルMIKIKOのパワーが発揮されてか、渋谷のハロウィンナイトも強めの雨に包まれていた。まるでAKARAの2ndワンマンライブ【The Storm~華の嵐の残月に~】を祝福するかのように。そんな雨のおかげもあり、eggmanまでの道のりもそれといった混雑もなく、会場へ到着することができた。…が、eggmanの階段を下っていくと、景色は一変した。開演前からフロアには多くのYAKARA(AKARAファンの総称)で溢れており、2度目のワンマンが始まるのを今か今かと待ちわびていた。

開演時間になると、ステージ前に組まれた和太鼓エリアにオープニングアクトの因陀羅が登場。和太鼓パフォーマンスに横笛の旋律が添えられれば、お祭り気分は高まるばかり。YAKARAの胸の高鳴りと因陀羅が紡ぎ出すリズムが会場全体のテンションを高めていった。
TAKA
そして時刻も20時を過ぎたころ、AKARAのステージが幕開けされた。1曲目は今回のワンマンのタイトルにもなっている『Storm』だ。疾走チューンで会場のギアを一気にフルスロットルへ高めると、冒頭4曲は休む間を与えない展開に。『Storm』の勢いをそのまま『琥珀』へ引継ぎ、『Moments』では、最前のYAKARAによる、一体感溢れる柵ダイも発生!『RED』では、赤いサイリウムが早くも咲き乱れた。
最初のMCでは、MIKIKOがリハ中に指輪を無くしたエピソードと共に、篠笛のTAKAにとっては初ワンマン、そして鼓の覇凰にとってはラストワンマンとなることが告げられた。そして、ヒートアップした会場をクールダウンさせるかのように『蒼天』のタイトルコールが。青いライティングが染み渡るバラード曲はサビで洋楽器も表に出てくる良質なロックバラード。続いてMIKIKOがソロでも披露している『名も泣き花』へ。ピアノ曲に箏のTOMMYの大胆なアレンジが加わることにより、AKARAとしてのバンドサウンドに昇華されていった。
TOMMY
バラード曲により、会場が和やかな雰囲気につつまれたところで、AKARAワンマンならではの古典セクションへ。今回のワンマンのサブタイトルにも入っている地歌『残月』では、TOMMYの歌声も披露され、尺八のJUNN.の奏でるメロディと一体となり、会場全体を古典のトーンへ引き上げていった。落ち着いた空気が流れた後、和太鼓ソロでは、テンポアップと共に、徐々に会場のトーンを高めていき、AKARAの和楽器隊が全員加わったところで、流れるように『彩風』を披露。そして覇凰の掛け声と共に洋楽器隊も加わったインスト曲『流音』がはじまった。壮大なスケールを感じさせる構成はまるでAKARAというドキュメンタリーを観ているかのような感覚に。そんな中、覇凰の『Break it』のタイトルコールと共にMIKIKOが赤から黄色の着物へ衣装チェンジして登場。ミドルテンポなロックチューンで少しずつ縦ノリのトーンへ戻していった。
JUNN.
本日3度目のMCでは、本公演にて卒業が発表されている鼓の覇凰の口から改めて発表された。自身がリーダーを務める「竜馬四重奏」は、既にメジャーデビューしている音楽ユニット。成長して大きくなったAKARAと再会したいとの発展的な展望も語られ、YAKARA達に向けて、「AKARAを頼むぞ!!」と檄を飛ばした。そして「これで見納めだ!かかってこい!!」との掛け声と共に、『孤高』のリフが流れはじめた。いつもにも増して気合の入った覇凰の合いの手と鼓の音が、荒ぶり高まった、孤高のサウンドを作り上げていた。
覇凰
覇凰がステージを去った後、何度も崖っぷちに立たされたMIKIKOとAKARAを救ってきたとも言える『Edge…』が演奏された。美しいストリングスと和楽器のアンサンブルが印象的で、会場全体が横揺れの余韻を楽しむかのような空気が流れた。

いよいよライブ本編も大詰め、MIKIKOより会場に向けて改めて賛辞を述べ、洋楽器隊の紹介がされた。そして本日の物販では、1stワンマンのDVDと3rdシングルとなる『KAGEROU-陽炎-』が発売となっていることが紹介され、本編ラストとなる『KAGEROU-陽炎-』の演奏が始まった。「メインボーカルはみんな、コーラスがMIKIKO」と言われている通り、会場が一体となってはじめて成立する楽曲。今回のワンマンでライブ初披露となったが、事前の解説動画や分かりやすい楽曲構成も功を奏し、サビでは会場一体となっての大合唱!AKARA 2度目のワンマンもこれにて無事、大団円…を迎えるはずもなく、AKARAのアンコールではお馴染みの「AKARAコール」がすぐさま巻き起こった。
AKARA02
ステージ上の和太鼓が隅に寄せられると、着物姿だったMIKIKOも含め、洋装でAKARAメンバーがステージに再登場。そこに流れてきたのは『月の涙』。AKARAバラード曲のスタンダードになりそうな旋律にのせ、MIKIKOがしっとりと歌い上げた。暖かい拍手に会場が包まれたところで、「こんなんで終われるか!」の怒号と共に鼓の覇凰がステージへ戻るとともにAKARA随一のヘビーチューンであり、AKARAの原点とも言うべき楽曲、『Zipangu』が始まった。
AKARA jump2AKARA jump1AKARA jump3
嵐の前の静けさとはこのことかと言わんばかりに『月の涙』の静から『Zipangu』への動のギャップが会場を揺らし、覇凰のシャウトにも磨きがかかっていた。その勢いをさらにMIKIKOと覇凰が煽り、本当のオーラス『KAGEROU-陽炎-』へと突入した。同日発売となった3rdシングルのレコーディングには、覇凰は不参加であった為、この日限りのスペシャルバージョンでの演奏となった。本日2度目の『KAGEROU-陽炎-』は、両手を挙げての大合唱となり、今日一の盛り上がりの中、終演を迎えた。
MIKIKO
そんな興奮冷めやらぬ中、MIKIKOの口から発せられたのは、3rdワンマンの発表だった。2017年3月31日、渋谷eggmanでの開催となる。MIKIKOの「これからもついてきてね!」に対するYAKARAのレスポンスは熱く、3rdワンマンも熱い一夜となることは間違いないだろう。
AKARA oneman集合
Text: Akihito Koshio
Photo: ke-ko.k

★公式情報★

邦楽ロックバンド『AKARA』オフィシャルサイト
http://akara.tokyo/
AKARA【公式】twitter
https://twitter.com/akaraofficial
AKARA【公式】facebook
https://www.facebook.com/akararock

★CD情報★

KAGEROU
3rd Single 2016.10.28 RELEASE
KAGEROU-陽炎- / 月の涙
¥1,000-(tax in)
【収録曲】
1. KAGEROU-陽炎-
2. 月の涙

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