
福岡の職人による独創的デザインと斬新なアイデアで注目を集める国産ハンドメイドエレキギターメーカー「Caramel’s Guitar Kitchen(キャラメルズ・ギター・キッチン)」(※以下CGK)が12ヶ月連続新作プロトタイプリリースの第5弾 『PT5_ Cosmic Konpeito Tremolo Green』を本日発表した。
今年1年をかけて毎月1本新作プロトを発表していくという前代未聞の企画で、元ラーメン屋という異色の経歴をもつCGKクラフトマン片田武司(カタダタケシ)の自由な発想で遊び心とこだわりを詰め込んだプロト(試作)なのだが、先月までにリリースされた4本はすでにSOLDOUT。国産ハンドメイドギターでありながら驚きの低価格で好評だ。

今回のギターは、宇宙開発が進み未来的なデザインが好まれた1950年代のビザールギターを彷彿とさせていながら、しっかりとマテリアルにこだわり、斬新かつ現代の実用性を備えた1本だ。フリーハンドでデザインされたというボディは、まさに自由で奇抜なCGKオリジナルシェイプである。
元々レトロなビザールギターが好きだったクラフトマン片田は、樹脂製で廉価品のイメージであったり、可愛いけれど弾きにくいというビザールギターのイメージをそのままを作るのではなく、パーツや木材にこだわり、現場でも通用する確かなサウンドと弾きやすいギターを目指した。ボディの角張りと曲線の調和は一見奇抜に見えるが、弾きやすく計算されており、座って弾いた時に何の違和感もなく膝上にフィットする。その凸凹な角張りがコンペイトー(金平糖)に見えることから名づけたネーミングセンスもCGKらしい。

ボディは薄めの40ミリ厚のアルダー材を使用。そこにゴールドフォイルタイプのミニハムバッカーを2個マウントし、JM型トレモロも付いている。ペグはトレモロに対応してGOTOHのマグナムロック。薄手のボディーにハムバッカーという相性が良く、フロント・ピックアップの甘くメロウなサウンドが魅力。また歪ませた時の軽快かつ適度な太さとサスティーンも心地良い。

またCGKの特徴であるVピックガードとボディ淵にあるチェッカードステッチも健在で、塗装は同じく1950年代のギターに多くみられたニトロセルロースラッカー塗装。ボディ裏のコントロールパネルもミッドセンチュリー的なデザインとなっていて細部へのこだわりが見受けられる。
クラフトマン片田のコメント
『四角いアルダー材を目の前に置いてフリーハンドで鉛筆を走らせてみました。板の大きさを目一杯に使って!デザインでいつも気に掛けていることは“斬新だけどイロモノにはしない”ということ。しっかりとしたマテリアルで作りたい。ミッドセンチュリーをモチーフにしたバックのコントロールパネルは我ながらキマったね!』

片田の心情として「ギターを抱えた瞬間に気持ちがグッと上がるもの」を作りたいという。独学で40年近くギターを作り続けてきたので、決して優等生的ではないが、彼の個性が滲んでいるギターに愛着が湧くというファンも多い。
このプロトの企画は今後も毎月20日に新作をインスタやXやHPにて発表し、CGKオンラインショップまたは楽器店に置かれて販売される。製作段階で試行錯誤するプロトタイプなので普段より低価格。手作り感や作りの荒い部分もあるが、世界に1本のみなので貴重だ。上半期と下半期に分けてSNS上で「いいね」で投票してもらい、順位を決めていく。いいねをしてくれた方の中から抽選でプレゼントもあるとのこと。好評なギターは後々ラインナップに加えられ商品化される可能性もあるという。

最近ではCGKのギターをベテランのみならず、若者が購入することが増えているという。クラフトマンの心掛けている「持った時に気持ちがグッと上がる」デザインと弾き心地が、実際に触った若者たちに新鮮に届いているのだろう。音楽もそうだが、古き良きものを感じ取り、新しいものとして生まれ変わってゆく。楽器のみならず日本の音楽全体が古い気質にとらわれず、活気ある未来に向かって欲しい。CGKもそう願うメーカーの1つなのかも知れない。
photo by Takayuki Sasaki
なお、6月15日(日)には新進気鋭のエフェクターメーカーが一堂に集まる”PEDAL GEEKS MEETING 2025 Tokyo”(東京・すみだ産業会館Dホール)にCGKの参加が決定している。実際に手に取って試奏できるチャンスなので、ぜひ足を運んで欲しい。
新しい国産ギターやエフェクターメーカーのこうした努力や自由な取り組みによって少しでも楽器業界の活性化、楽器を弾く若者の増加に繋がれば良い。次回6月のプロトはどんなギターが出来上がってくるのか?今から楽しみにしておこう。
CGK_PT5_ Cosmic Konpeito Tremolo Green
参考価格:320,000円 (税別) / 352,000円(税込)のところ
販売価格:250,000円(税別)/275,000円(税込)※ロゴ入りソフトケース付き
発売日:2025年5月20日 正午〜
販売サイト: CGKオフィシャルオンラインショップ
URL:https://caramelsguitarkitche.stores.jp/
Specification
Body:Alder
Body Finish:Nitrocellulose Lacquer
Neck Material:Maple
Fingerboard:rosewood
Frets:22
Fret Size:Medium wide
Scale Length:648mm
Nut:Graph Tech TUSQ
Pickups(Front):Mini-Humbucker GoldFoil AlnicoV
Pickups(Bridge): Mini-Humbucker GoldFoil AlnicoV
Switching:toggle switch(Switchcraft)
Controls:MasterVolume×1(CTS) /MasterTone×1(CTS)
Bridge:JM Bridge
Tremolo : JM Tremolo
Peg:GOTOH Magnum Lock
Strap Pin:GOTOH Ep-B3
イベント情報>>
PEDAL GEEKS MEETING 2025 Tokyo
日程:2025年6月15日(日)
場所:すみだ産業会館 Dホール
住所:東京都墨田区江東橋3丁目9−10 丸井共同開発ビル
時間:10:00〜18:00
入場:500円
サイト:https://h-ozawa5.wixsite.com/pedalgeeksmeeting
Caramel’s Guitar Kitchen profile
2021年に立ち上げられた福岡発ハンドメイドギターブランド。その特異なデザイン性だけでなくこだわりのスペックでサウンドにも定評がある。手にしたときに「気持ちがグッと上がるもの」を作りたいをモットーに見た目と弾き心地を追求し続ける。昨年は福井県漆塗り業社とコラボギターを発売し、島村楽器とのコラボSTギターが発売前に完売するなど斬新な企画と話題を発信し続けている。
【Official CGK ONLINE SHOP】https://caramelsguitarkitche.stores.jp/
【Official CGK HP】https://caramelsguitarkitchen.net/